系譜の調査により、わかったのは、間田家は代々一人しか子どもが生まれていないこと。
つまり、直系が続々と続いている家系で、子孫はみな、ある年齢に達すると精神に
異常をきたし凶暴になって人を傷つけ、その後、病院に収容されて生涯を終えている。
 だが不思議なことに、身柄を拘束されるまえに、かならず子どもをつくっている。
まるで、狂った血を途絶えさせまいとするかのように・・・・。
 犯人・間田英雄の場合はどうだろう。
 今のところ、親しかった女性や妻子がいるという情報ははいっていない。
彼の近くにいた女性といえば、あの妹だけ。
 しかし数日後、精神薄弱の妹は、自殺した父親の連れ子で、間田家の血は受け継いで
いないという情報が飛び込んできた。
 ということは・・私は急いで妹の住む町の産婦人科を調査した。
 その結果、案の定、彼女が父親不明の子どもを妊娠していることがわかった。
いうまでもなく、その子の父親は間田英雄である。やはり間田家の血は、新しい命に
取り入り、生きていた。
 こうなると、間田家の血族をさかのぼり、呪われた血の源を探るしかない。
私は、戸籍にあった英雄の母親の青森県にある出身地を訪ねることにした。