●更新日 10/19●
探偵達の心霊事件簿 〜夏季限定〜
ひと夏に私は様々な場所を訪れた。
噂が絶えない有名な心霊スポットである。 ラストである今回はこの地に白羽の矢を立てた。 実は、この地に赴く事が決まった時から、私の身体に変調が起きていた。激しい頭痛、立っていられない程の悪寒…。 これは、私の第6感が、「行くな!」と告げているのであろうか? …いつもならこのままお送りする所だが、大住くんに「またキムのエセ霊感発動!」と書かれる前に今回は自分から言っておく。 単なる風邪です。 物凄い不調だったのだが、仕事は完遂しなければなりません。風邪薬とリポDとモカを飲み、身体に鞭打って愛車を走らせました。 現場に到着。 ちなみに到着してから、道了堂の情報を再確認したところ、”地蔵の首を壊した連中が白い車に乗っていた事から、白い車で訪れると祟られる”という事柄がある事に気付いた。 ご存知の方もいると思うが、私の車は白です。 入る前から、無意識に祟られる条件1つクリアです…。 道了堂に到るまでに存在する「絹の道」。我々はその道を通らねばならない。 女子大生の死体が遺棄され、幽霊の目撃例が多いのも、この絹の道である。 一歩踏み入ると其処は闇。 街灯など一切存在しない山道である。フラッシュを最大にしたこの画像でも、僅か数mしか写らなかった。 この昼間でも寂しそうな道を私達は自ら進む。 暫く闇の中を進むうちに、私はひとつ気付いた事があった。しかも、気の所為では無く、間違いなく“それ”は感じられた。この話は後ほど。 女子大生の霊が出るというポイントにも立ち寄ったが、特に何も起きなかった。霊も寒さに弱いのだろうか?霊の目撃霊はほぼ夏に集中している。その傾向を調べるのも面白いかもしれない。 問題である道了堂跡・境内に到着した。 廃寺となってからは、付近の珍走団などの若者の溜まり場となり、夜は雰囲気の悪い場所と化してそうだ。 尚且つ、悪乗りした若者たちが、境内にある地蔵や石碑を破壊すると言う非常識な行為が頻繁に行われた事から、廃寺は解体。現在は、今は石畳と破壊された地蔵などが並ぶばかりとなっていた。 破壊された石碑と、暗がりに浮かぶ石仏。 過去、其処に存在したという事実を伝える碑。 そして…、 噂の首がもげている地蔵である。 この地蔵は、右肩から大きく砕かれ、右半身は近くに倒れたままだ。 首は確かに、もがれていた。左肩に乗せただけの非常に不安定な状態である事が解るだろうか? この地を破壊して回った若者たちは祟りで死んだという噂もあるが果たして…。何にせよ、心の無い行為であった事は確かである。 この時、私は右肩に痛みを感じた。ほんの僅かだったが間違いなく、疼くような鈍痛を感じていた。 隣に居た大住くんに、「何か感じないか?」と訊いたが、彼は何も感じてはいないようだった。不条理に破壊された地蔵が、その嘆きを私に伝えたかったのかもしれない…。 ここで先ほどから感じていた疑問を大住くんに打ち明けてみた。 「後ろから誰かがついて来ている事に気付いたか?」…と。 勿論、大住くんは気付いていなかった。 実は、絹の道を歩いていた時から、何者かの視線と気配を私は感じていたのだ。 先に歩く大住くんはそのまま進んでいたのだが、私は何度も後ろを振り返っていた。 当たり前だが、其処には誰も居ない。静寂と闇に包まれている山道が在るだけであった。 しかし、私は感じていたのだ。 そして私は見てしまった…。 風が無いのに、道の枯葉が舞うのを。 私が歩いたのが原因であるにしては距離がある。 あれはいったい…。 感じていたのは私だけだったようなので、余計な事は言わずに立ち去る事とした。 恒例の大住くんによる罰当たり行為が行われたが、それは大住サイドで明かされる事になるだろう。 私達は、最後に地蔵に手を合わせてその場を後にした。 ◆小平霊園(東京都東村山市) 引き続き、心霊スポットの検証を行った。 此処も、霊の目撃例が絶えない場所である。
広大な霊園である事と、霊が多数存在する事は前情報として知り、此処を最後の場所と選定した。 出発前に、「ある霊能力者が、此処だけは本当に行ってはならない」と言っていたという話を知人より得たが、我が探偵ファイルでは、その様に言われた地ほど、意欲が増して来るので逆効果となった(今の言葉を訳すると、「行け」と言う指示が出るので行かなければならなくなる)。 現場到着。当時9月にしてはとても肌寒い日であった事をここに記す。 右の画像にあるように、地図で表示される程の巨大な霊園である。 深夜は、霊園の門が完全に閉まってしまうので、愛車を入り口に停め、我々はこの霊園に挑戦した。 入り口からさほど歩かないうちに、無数の地蔵の存在を確認出来た。霊園の到る所に地蔵は在る。それだけ供養しなければならない人が多いと言う事なのだろうか? 深夜の霊園を男2人で歩く。彼女と行くには良いシチュエーションかもしれないが、何が楽しくて大住くんと歩かなければならないのか?と疑問を感じずにはいられなかった。←仕事である事を忘れている上に、不謹慎な事を考えているキム 最初に触れたが、此処は本当に広大な霊園である。時間を掛けて端から端までを歩き、霊症が無いかを検証していた。 「ここも特に無しか…」 そう思い、そろそろ引き上げようかと思ったその時! 男の恨みの籠もった呻きの様なものが、静寂に包まれた墓地から伝わって来た! これは…!? 大住サイドに続く ( 探偵ファイル・キム )
|
|
|
|
|