●更新日 11/01●
温度の違うトンネル
群馬での調査を終え、車で東京に帰る途中での出来事。
その日はこの秋一番の冷え込みで、一歩外に出ると防寒具を身につけていても一気に体が縮こまってしまうほどだった。
車内は暖房をガンガンにきかせ、体が凍えないように気を使っていた。
国道122号線を群馬県桐生市から栃木方面へ車を走らせ黒保根村という村に入ってまもなく短いトンネルが見えてくる。
車による排気ガスや長年、風雨にさらされたのだろう。だいぶ汚れてしまっているが「城下トンネル」という文字が見える。
トンネルには奇怪な噂がつきものだが、それらたいていは都市伝説として語られている。
しかしこの場所は明らかに不穏な空気が漂っていた。
トンネルに差し掛かろうとしたとき、石碑らしきものが目に入った。
気になったのでトンネル手前の空き地に車を止め、確認しにいってみると石碑には「供養塔」と刻まれており、ささやかながらジュースなどが供えられていた。
明らかにこのトンネルで、「いわくつき」の出来事が起こったことが容易にうかがえる。
しかも、ご丁寧に「交通事故」「諸聖霊」との文字もあり、事故によって被害をこうむった人がいたということを思わせる。
トンネルに入ってみると、急にぐっと冷え込む。
寒い。
よくよく調べてみると、この場所はもともと処刑場であったとか、脇を流れている渡良瀬川に多数の死者が流れてきただとか、この村の北方にある足尾銅山から脱走してきた人たちが力尽きたのがちょうどこの地であった等、実は幽霊や怨霊の類が出没する条件がそろっていたことがわかった。
そのことが直接的な原因なのかは不明だが本当に以前は交通死亡事故が絶えない場所であったそうだ。
しかし、供養塔が建立されてからは全くといっていいほどなくなったという。
道端に転がっていた靴(片方のみ)
それにしても、カメラのシャッターが急に下りなくなったのは偶然だったのか・・・。
いまだ原因は不明である。
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