●更新日 06/13●
U署の神聖なるイチョウ
警視庁U署管轄の派出所のおまわりさんが話してくれた。
U署の前に大きなイチョウの木があるんだけどね、樹齢百年ぐらいの戦災も免れた木で、周りからは御神木として祀られていて木の下には小さな祠もあるんだけど、元々そこには一般の人が住んでいたんだよね。
U署はそこの土地を譲ってもらって建てたのだが、その時も、イチョウの木は“切ってはいけない木”ということで、残して建てたそう。
昔、あのイチョウの木は今よりももっと大きな木で、毎年秋になると銀杏の実をたくさん実らせ、道に落ちる銀杏の数も多く、あの銀杏独特の匂いが辺りに充満してとても臭くなってしまったとのこと。しかも、つぶれた銀杏で道路も汚れてしまう。
だから中にはそのことを不満に思っている人がいたり、実際苦情を言いに来る人もいた。
それでもみんな、そのイチョウの木が“切ってはいけない木”だということを知っていたから切ることもなかったし、絶対に切れと言う人もいなかったが、時代が変わってきて署や町の人達の中にも、それを単なる迷信だと言う人が増えてきた。
今から7年前、あるおばさんが落ちた大量の銀杏のことで署に苦情を言いにきた時の事。
その時は丁度署を建て替えることが決まっていて、署もこの際苦情が多いからとイチョウの木を完全に切ってしまうのではなく、一部分だけを切って木を小さくすることにしたんだよ。
で、とうとうそのイチョウの木を一部分だけど切っちゃったんだよ……。
そしたらね……。
その日、そのおばさんが突然死んじゃったんだって……。
そのイチョウの木と何か関係あるんじゃないかって噂が流れたんだけどさ、実際はどうなんだかわからないけどね……。
夜、再びそのイチョウの木を訪れてみた。
偶然だろうか……?
オーブなんかではない
写ってしまった。
この発光体は何を意味するのか?
調査したせいで、ご神木の怒りに触れていなければいいのだが。
li.kouji
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