●更新日 06/17●
部室に残る女生徒
これは中学校教師のCさんが経験した話である。
以前、某県S市にあるS中学校という当時1学年13クラスというマンモス校に赴任していました。
S中の部室は男子と女子の二棟に分れていました。
下校時間に厳しい学校だったので、部活が終わった後も生徒はすぐに帰らなければならなかったのですが、それでも早く帰らない生徒がいた為、教師が毎日交代で部室を見回り、点検をすることになったのです。
私が当番だった日、女子部室に行くと電気が灯っていました。
もしかすると着替え中かもしれないので私は部室の入口で
「誰かいるのか?」
「はい」
「下校時間が過ぎているから早く帰りなさい」
「はい。すぐに帰ります」
「じゃあ、もう一周してくるからそれまでに帰るんだぞ」
「はい」
こんなやり取りをしました。
もう一周してくるとまだ部室に電気が灯っているので、
「まだ残っているのか!」
と今度は少し語気を強めました。
「はい。すぐ帰ります」
その声があまりにものんびりとしていたので、
「いつまでも何やっているんだ!」
と再び強い口調で声のする部室の方に入りました。
バスケ部の部屋でした。
中には制服を着た女生徒が後ろ向きで椅子に座っていました。
「早く帰りなさい!」
と私が強い口調で言うと女生徒は
「はい。すぐに帰ります」
と言って振り向きました。
よく見ると彼女の下半身がありませんでした・・・。
そして彼女がニコッと笑ったかと思うと、生気の無い顔になりス―ッとこちらに迫ってきたのです。
悲鳴を上げた後の記憶はありません。気付いたら私が戻るのが遅く心配して来た先生に介抱されていました。
そして翌日・・・
どういうわけか体育館には無数のバスケットボールが散らばっていたんです・・・。
C先生はあの女生徒が振り向いたときの満面の、でも不気味な笑い顔が目に焼きついているという。
li.kouji
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