●更新日 07/04●

Tの幽霊アパート


以前取材した幽霊の出る借家
その後、読者からの情報により、それはアパートで別の場所にあることが判明。

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その物件を取り扱っている不動産屋に行ってみる。
しかし、すでにその物件は取り扱っていないとのこと。

不動産屋の話では玄関の隣に木で四角く囲われている所があり、それが井戸で、庭のお稲荷さんが丁度井戸を見張るように祀られていたという。
当初、その木の囲いが潰せなかった井戸だったとは知らず、それが井戸だと分かったのはこんな不思議なことからだった。

「住宅情報誌でこの物件を見た霊媒師の方がうちに来たんです」

そのとき霊媒師は

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▲当時の広告

「この物件に呼ばれた」

と話したという。
そして霊媒師がその部屋を下見した際、囲いが井戸だったということが分かった。

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実際そのアパートに行ってみると住宅街の中にもかかわらず、そこには生活感がなく周囲とは明らかに違う雰囲気が漂う。

霊が出ると噂の一階に住人はいない。
まるで何かを閉じ込めているかのように固く閉ざされた門…。

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▲情報によるとこの裏に『埋められていない井戸』がある。

中を見ることはできないが、それでも不気味な雰囲気が内側から滲み出ている。

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庭に生い茂る雑草が、ここに人が寄り付いていないことを物語る。

近所の人に聞き込みをすると、このアパートにお稲荷さんはあったが、すでに御霊は移したという。
しかし、霊の噂について聞いた瞬間、近所の人は表情を変え会話を終わらせてしまった…。

ちなみに不動産屋の話によると、霊媒師はこの部屋があまりに異様だった為か、借りることはなかった。
しかし、その後どこでその噂を聞きつけたのか某大学のオカルト研究会がこの部屋を借りた。

「でも、本当に幽霊を見たらしく、2,3ヶ月で出ていっちゃいましたね」

今は硬く閉ざされた一階の部屋。

今でもこの部屋の中では何かが蠢いているのかもしれない…。



Li Kouji(リ・コウジ)写真


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