死者が呼ぶ森

千葉県西部にある『21世紀の森』
昼間はバーベキューや野鳥観察をする人達で賑わう公園だ。
しかしこの場所、夜になると全く違う顔を見せる。

この森のど真ん中を突き抜ける形で、真っ直ぐな道路が走っているのだが、
この道路で死亡事故が多発するのだ。

そしてこの事故多発現場の真下、
高架下で、幽霊が何度も目撃されている。


もともとこの周辺は心霊スポットが多いことで有名だが、
この森での霊体験の報告が、近年特に増えているという情報が寄せられた為、
記者が現場に直行した。


人が恐れることで、そこは霊が集まりやすい場所になるのがセオリーと言われているが、
この森も人々の恐怖の念が、数多くの霊を呼び寄せているのだろうか・・・


離れた場所からは特に変わったところは無いように見えたのだが、

事故多発現場の真下に行くと、独特の湿気と圧迫感を覚えた。


コケに覆われた壁に沿って、恐る恐る歩いていくと
けもの道のような細い道に通じていた・・・


さらに奥へ行こうとした時、

撮影用ビデオの画面にノイズが入り、画像が映らない！




音声は聞こえるが、画像には線が入ってしまう・・・
今まで壊れたことなど無かったのだが・・・


これは絶対に危ない！行きたくない・・・

突然の機材の不調で混乱し、ためらったのだが
腹をくくって道の奥へ向かうことにした・・・



恐怖と胸の不快さを抑えながら、ゆっくりと道の奥へ・・・

行き止まりになったところで写真を撮ってみるが、何も写らない・・・

誰もいないはずの森の中、不気味に鳥の声だけが響いていた・・・


しかし、ビデオの画像が乱れたことは、ただの偶然だったのだろうか・・・

私には、死者の霊が何かを訴えかけているように感じた・・・

『お前もこっちに来い』と・・・



タディ