●更新日 11/03●

子供にしか見えない…(百物語)


今から7年前、私の娘がまだ3才だった頃の話しです。

産まれた時から夜泣がひどく、私は毎晩悩まされていました。その日の夜は、珍しく主人は飲みに出かけていて、娘と二人きりで寝ていました。夜中の2時を過ぎた頃でしょうか。

寝ていた娘が突然、『ママ〜。』と言いました。普段、夜泣で敏感だった私は、すぐに娘に気が付き『どうしたの?』と聞きました。すると娘は真っ暗な部屋の角を指差し

『あのおじちゃん、ダレ?』と言いました。薄明かりの中、目をこらしても私には何も見えません。娘は部屋の角の、天井に近い上の方をジッと見つめています。夢でも見たのだろうと、娘をなだめ、そのまま寝かしつけました。

次の日の朝、昨夜の事が、なんとなく気になった私は娘に聞いてみました。『昨日、お部屋にダレかいたの?』
すると娘は『昨日のおじちゃんはね、初めて来た人だよ。いつも来てるおじちゃんは、もっと汚い洋服着てるの。』

写真

私は背筋が寒くなり、凍り付きました。
『いつも?』
『うん。汚い洋服のおじちゃんはね、さっきもソコにいたんだよ。でも、昨日のおじちゃんはダレかなぁ?ママ知ってる?』



小さい子供には、見えないモノが見えるんですね…。



写真



yakiniku



選考:百物語制作委員長  渡邉文男 (賞金50万円 詳しい応募方法はコチラ


探偵ファイルのトップへ戻る

前の記事
今月のインデックス
次の記事