心霊事件簿シリーズ 〜氷川神社〜
「氷川神社」という名前の神社自体は、日本全国にあります。
一番有名なのは大宮にある氷川神社ですが、武州六大明神の1つである大宮氷川神社を本社とし、昔の武蔵国(東京都・埼玉県)各地に分布しているものと、名前がただ「氷川神社」というだけの地元に根付いた道祖神社の二つがあります。
関東だと割と色々な所にあり、都内には同じ区内に氷川神社が3つ存在するなんてこともありますので、皆さんも「うちの地元にもあるよ!」と思われる方は多いのではないでしょうか。
ちなみに美少女アニメの先駆けとなった「セーラームーン」が全盛期の頃に、登場人物の火野レイが巫女をしているという「火川神社」は元麻布にある氷川神社が設定元となっています。
話が逸れました。今回ご紹介するのは、道祖神社としてある場所にある氷川神社です。
須佐之男命・奇稲田姫命・大己貴命を主祭神とする。 特に明治以後は国都が武蔵国に設置された事から、四方拝などの宮中祭祀の対象に加えられるなど、皇室からも重んじられた。
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氷川神社
埼玉県 某所
国道から県道に入り走ること1時間ほど行った場所にある、道祖神社。
地元の人間に愛され、同じ時を歩んで来た。
この地域は戦争中に起きた大空襲の余波が来た場所でもあり、多くの方が亡くなった。
しかし、当時の混乱期に亡くなった方を埋葬する場所は少なく、一時的にこの神社に遺体が集められる。
多くの苦しみながら死んで行った方達の亡骸が集まった場所だけに、心霊スポットとして生まれ変わる要素は多く、夜中になると苦しみの声が聞こえると言うのだが・・・
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戦争中に亡くなられた民間人が収容された場所というのは良く聞く話なのですが、場所が神社などだと心霊スポットとして扱われ易いと言ったところでしょうか。
神社の規模も大きく、入り口の鳥居をくぐってから本殿に行くまでの間にもう1つ鳥居がありました。
鬱蒼とした木々に道は囲まれており、虫の声が聞こえます。
確かに夜中や夏の蒸し暑い夜に来たら、周囲には外灯も有りませんし、なかなか雰囲気があるかも知れません。
亡くなられた方の慰霊碑。
周囲に住んでいる方に話を聞いてみると、
住人 「別に怖いってことはないわねぇ。子供達が肝試しに使うことくらいは有るけど、霊が・・・なんてことはないし」
住人 「そんな戦争中に死んだ人の声が聞こえるなんて・・・。駄目よ、そんなおどろおどろしく言っちゃ」
この神社を心霊スポットとして扱われるのは良く思わないらしく、怒られてしまいました。
心霊スポットなどではなく、地元民と一緒に時を刻んで来た愛するべき場所。
だから、このようにボランティアで境内や神社の周辺を掃除される方がいる。
いや、ボランティアとすら思っていないのかも知れません。当たり前のことをしている、と。
地域の方からすると、苦しみの声なんて怖いイメージが先行して何でもない音がそう聞こえるだけなのでしょうね。
そう思うと、さっきまでの鬱蒼としたと感じた木々は、神域にある清浄な木々に思えてくるのでした。
たまにはこんな心霊スポットだけど、心霊スポットじゃなかった・・・と結ぶ心霊事件簿もいいんじゃないかと思います。
探偵ファイル
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