●更新日 07/11●


心霊事件簿シリーズ 〜I 病院精神病棟〜


心霊現象を信じる人も信じない人も、こう言えば誰もが納得します。
「生きている人間の方が怖い」
確かにその通り。天使にも悪魔にもなれるのは、全ての生き物の中で人間だけです。
人間だけが持つ、高度に発達した知性と精神。
では、その人間が精神を病んでしまって療養している場所は、何て呼ぶのが適切でしょうか?

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I 病院精神病棟
東京都 K市
西東京に分類されるK市に存在し、今も多くの患者を抱える中規模のI病院。
ここの特色は、多くの精神を病んでしまった患者の受け入れ先となっていること。先の丸いプラスチックのスプーンに、窓のない部屋、拘束具が付着するベッド。全部空想の物ではなく、この病院には実在する。
厳重に管理されているはずなのだが、年に何度かは看護師の目をくぐり抜け外界に出てしまう患者がいるという。
その患者が起こす奇行は、幼い子供からすれば幽霊よりも怖いのかもしれない。
事実、近くの公園では女児を逆さ吊りにしてマヨネーズを掛けるという変質者さながらの事件が10年ほど前に発生し、ここ近年では自分は鳥だと信じ切った女性が屋上から身を投げたという事件が発生している。

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ここの病院は心霊スポットではなく、本当に実在する病院です。

病院に過度の迷惑が掛かってはいけないので、本文中の表記も幾つか変えたりしていますが、これは現実として起きた続けていること。
マヨネーズを掛けるという変質者は、その設定のシュールさにどことなく笑いが出るものでもありますが、包丁を持ってウロウロしていたという背筋の寒くなるケースも実在しています。
事実、この病院近くにあるコンビニの時給は、他のコンビニの時給よりも少し高かったりします。
店長さんに話を伺ってみると・・・

店長 「同じ町にある病院ですし、患者さんのことを悪く言うつもりはないのですが・・・怖い思いをしたことは何度かあります。裸で店の中に入ってくる方とか、街中で奇声を上げる方とか・・・。あの病院に入院している患者さん以上に怖いのが、入院じゃなくて通いになっている人や、以前に入院していたことがあるっていう外来の方なんです。どこでまたぶり返すか解らないじゃないですか・・・。店でマッチを買った患者さんがいましてね。道路の脇でずっと一本一本擦ってニヤニヤしているんですよ。さすがに血の気が引いて・・・警察に連絡しましたが・・・。コンビニって夜も明るいから目立つんでしょうね。いつ何が起きるか解らないし、夜はいつも気が休まりません」

店長さんのこの話を患者さんを差別していると言い切るのは簡単です。
まるで危険人物のように・・・と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、心霊スポットのように噂話だけでなく、本当に起きた事件を住民の方が抱えていて・・・

こうして全部窓が付いている部屋だけじゃない(上階は灯りがない)のを夜に見上げると、心霊スポット特有のお腹と頭が締め付けられる感覚を抱く人は記者だけではないはず。
人の思いというのは、溜まって具現化すると言います。
なれば-------数多くの住民の思念が集まったこの場所は、心霊スポットと何ら代わりはないのかもしれません。



山木


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