●更新日 10/04●
坂本龍馬はフリーメーソンだった!? 大河主役の意外エピソード
来年の大河ドラマの主役、坂本龍馬は、歴史上の人物でもトップクラスの人気がある。かくいう筆者も史跡はもちろん、竜馬が訪れた場所もほぼ踏破した「聖地巡礼」の旅の実践者で、大の龍馬フリークと自負しており、関連の記事も多数書いている。
亀山社中の碑と筆者(撮影山口敏太郎タートルカンパニー)
ところで、大方の龍馬像は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」から始まり、その後の各作品で広まった豪放磊落にして志を持ったスケールの大きな男、というものだと思う。
しかし、実在の人間である以上、勝手に広まったイメージとはまったくかけ離れたエピソードが伝わるのもまた当然のことといえるだろう。それは坂本龍馬にもあてはまる。
最近、歴史ミステリー研究家の間で信憑性を持って語られているのが「龍馬フリーメーソン説」だ。
フリーメーソンといえば、世界を影で支配する組織として、陰謀論の主役クラスの組織としてオカルトマニアには知られている。
実際は普通の親睦団体らしいが、世界的に影響力のあるエリート白人のメンバーが多いので、結果として謎の秘密結社のようなイメージができたのだろう。
しかし、過去には自分達の利益のためにフリーメーソンが歴史の陰で暗躍したという説も根強く残っている。実際、歴史の謎を研究してゆくと、この説も絵空事とは一概に否定できない面がある。
さて、「龍馬フリーメーソン説」はどこから出てきたのだろうか。
それは、龍馬が知り合ったイギリス人商人トーマス・B・グラバーに端を発している。
グラバーは清(当時の中国)でアヘン戦争をひき起こした元凶の、ジャーディン・マンセン商会の代理人として来日している。この組織の大本がフリーメーソンのメンバー、ロスチャイルド家だった。龍馬は亀山社中時代、グラバーを介して大量の武器類を調達、長州藩に売って利益を得た。
こうした関係から龍馬もフリーメーソンのメンバーに加入していたのでは考えられるようになったのだが、実際はどうだったのだろうか?
亀山社中の碑(撮影山口敏太郎タートルカンパニー)
筆者は、あるいは龍馬はメンバーになっていたのではないかと思う。
ただし、それはあくまでグラバーと取引する以上、新密度を深めた方が徳だという便宜上によるものではないだろうか。フリーメーソンが掲げる「自由・平等・博愛」の精神が西洋の素晴らしさ、新しい日本の目標に見えてそこに惹かれた面もあったかもしれない。
後の竜馬は、公武合体を勧めるなど、真のメンバーなら絶対にしない組織の利益に反する行動をとっている。よって、龍馬がフリーメーソンのメンバーになったとしても、あくまで商売上の見せ掛けの行為、または表向きのスローガンに共感してのものだと筆者が考える所以である。
ただし、その代償は大きかった。龍馬暗殺に、実はフリーメーソンが関わったという説もあるのだ。とすると、龍馬暗殺事件はフリーメーソンによる裏切り者への報復行為だったのだろうか。もちろん、これはあくまで仮説であることは言うまでもないことだが。
しかしあくまで想像だとしても、世界的組織に命を狙われるとは、なんとスケールの大きな男であることか!
龍馬に関しては、今回のフリーメーソン説の詳細のほか、まだまだ書きたいことがたくさんあるので、今後も継続的に発表してゆきたいと思う。そして探偵ファイル読者諸氏に、龍馬の魅力を知っていただき、来年の大河ドラマを楽しむ予備知識にしていただきたい。
なんだか完全な便乗企画ではあるが(笑)
亀山社中資料館と筆者(撮影山口敏太郎タートルカンパニー)
山口敏太郎
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