●更新日 11/24●
話題の2012年問題とは?
映画「2012」が公開中だ。
筆者も招待されて見たが、テンポよくストーリーが進み、人間ドラマの部分も引き締まっていて、パニックムービーとしてもよくできていてとても面白かった。
ところで、そもそもなぜ2012年、地球滅亡といわれるのだろうか。
映画の中でもセリフで説明されていたが、近年、多くの占い師や預言者が「2012年、人類は滅亡する」との説を唱え、証拠らしき過去の遺物、言い伝えも取りざたされ話題を呼んでいる。
この説の始まりは、マヤ文明のカレンダー、「マヤ暦」が発端といわれている。
マヤ文明の歴史においては、人類は今までに四つの太陽時代を体験しているとされており、現在は「第五の太陽の時代」であるという。
第五の太陽の時代とは、マヤ暦では最後の時代であるといわれ、この時代が終わるときこそ人類の歴史が終わるときであると伝えられている。
その日はすでに定められており、マヤの大周期によると5125年とされている。
これは、現在の太陽暦に換算すると2012年12月22日になり、この日にマヤの暦が終わっている。
これが2012年問題の根拠となっているのだ。
イラスト:アートギャラリーハギオ
また、2012年には計ったかのようなタイミングで、皆既日食が起こることがわかっている。
皆既日食は古来より凶事の前兆であると伝えられ、「古事記」では、太陽神である天照大神がお怒りになられて天岩戸に引きこもったという「天岩戸神話」がある。
この「天岩戸神話」では、天照大神がお篭りになったせいで世界は暗闇に包まれ、様々な災いが人々に襲い掛かったという。
現実の世界でも皆既日食の起こる年には世界的な大事件が起こっている。
1936年に北海道で皆既日食が観測された際には、高橋是清蔵相らが殺害された2.26事件が発生。
この事件は後の軍国主義、さらに太平洋戦争に繋がっていくことになった。
1963年にはアメリカではケネディ大統領が暗殺され、アメリカ全土に混乱が生じた。
また次に皆既日食があった2001年には北アメリカ南部で金環日食が観測されたと同時期に9.11テロが勃発。
この事件は、後のアフガニスタン侵攻、イラク戦争に突入していくきっかけとなった。また2008年にロシアとモンゴルで皆既日食が観測されたときは、ロシアでは長年に渡って支配してきたプーチン政権が幕を下ろしている。
そして次に皆既日食がある2012年、太陽によって人類滅亡がもたらされるのではないかといわれている。
太陽フレアによって地球に破壊的な影響が与えられるのではないかというのだ。
これはオカルト的な仮説ではなく、NASAの管理下にあるチームによって発表された論文にある説だ。
この説を要約すると、平常時には太陽フレアの影響を防ぐ役割を果たしている磁気シールドに大きな穴が開き、その穴から太陽フレアが地上に降り注ぐのではないかとされている。
太陽フレアから放出される莫大なエネルギーが世界中の高圧変圧器を破壊、ライフラインの一つである電力網を完全に停止させる。
その影響により、あらゆる通信網が混乱に追い込まれ、飛行機などは管制塔から指示を受け取れなくなる。
他にもシステムで運行管理していた地下鉄や鉄道などが各地で暴走、コントロール不可能になった気象衛星や軍事衛星は地球に落下する可能性もある。
さらに、最も恐ろしいのはこのパニックに乗じたテロ組織の行動や、混乱した軍事国家による核攻撃である。
もちろん、これらはあくまで仮説であり、実際には何も起きないという人もいるし、その方があたりまえだろう。
研究者によっては人々の生活や心が良い方向に向かう変革の時になると唱える人もいて、むしろその方が可能性は高い。
いたずらに不安に駆られることなく、自分自身をみつめ直す機会にしてほしい。
山口敏太郎
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