●更新日 02/12●


闇に潜むUMA!?鳥海山の大蛇とは


キリスト教やユダヤ教、イスラム教などでは蛇は悪魔の化身として扱われている。だが、世界には蛇を神として解釈する”蛇崇拝の文化圏”も存在する。例えば、中南米など蛇を神と見なしており、アステカ神話の文化神・農耕神であるケツァルコアトルは、「羽毛ある蛇」という意味である。また、インド神話に登場する蛇神は「ナーガ」と呼ばれており、人々の熱い信仰を集めている。

日本でも蛇を神聖視する傾向が強く、頭部に角の生えた魔神・夜刀の神は、一度でも目撃したものは死んでしまうと、『常陸風土記』で記述されている。また、スサノオノミコトが退治したことで有名なヤマトノオロチも悪神ではあるが、神の扱いである。そもそも日本各地で奉られる龍神の背景には、根強い蛇神信仰が反映されており、我々日本人は蛇を水神として考える民族であるといえよう。

このような大蛇伝説は昭和時代は盛んに喧伝された。四国剣山の大蛇騒動や、茨城県の大蛇騒動が想起されるが、平成以降はせいぜい逃げ出したニシキヘビが住民をパニックに陥れるぐらいであり、10m前後の大蛇らしい大蛇の目撃談はあまり聞かれなくなった。

以前、筆者はつちのこ研究家のKさんからメールで鳥海山の大蛇について教えてもらったことがある。それは10メートル前後のつがいの大蛇であるらしく、地元住民も稀に目撃しているというのだ。

気になり少し調べてみると、「日本三代実録」の中に面白い記述を見つけることが出来た。
鳥海山の山頂は夏も雪を戴いており、本来は草木などは全くない人の踏み入れる場所ではない聖地であった。ある時、鳥海山が噴火し、山中から流れ出る水は青黒い泥で溢れ、ひどい臭気が辺りに充満した。さらに死んだ魚によって川は塞がれ、山頂から約30メートルもの長さの大蛇が2匹海へと流れて行ったという。

「日本の神々−神社と聖地−12 東北・北海道」によると、長さ30メートルの2匹の大蛇とは、2本の泥流だったのではないかとの解釈が書かれているが、他にも地元では溶岩が流れる様を大蛇として表現したのではないかと伝えられているようだ。確かに、この伝承は、火山活動を比喩的に解釈したものに過ぎないが、現在の目撃談とリンクしており、シンクロニシティとしては大変興味深い。

最後に鳥海山が噴火したのが昭和49年のことなのだが、目撃者の登山客によると、爆発時にも5メートルほどの大蛇を目撃したという。それが本当であれば、実際に鳥海山に大蛇が棲息していた可能性も十分に考えられる。



今後の徹底的な調査が必要である。


山口敏太郎



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