新たなる都心のパワースポット!? ミニチュア富士の秘密

パワースポット巡りのブーム、スポットは（加藤清正の）井戸だけではなく山登りも？　都内に存在するいわくのパワースポットを探索してきました!!

噂のパワスポは新宿成子坂神社にある富士塚と呼ばれる人口の小山。毎年元旦から７日まで公開されている標高12ｍの人口築山は名前の通り富士山がモデル。西新宿の高層ビル群を望む閑静な住宅街は公開期間の間、多くの人に混じり、パワーをもらおうとする人も増えているといいます。


都内最大規模、高さ12ｍの富士塚（成子坂神社境内）

富士塚とは富士山を信仰とした富士講のご本尊として設営されたもので、現在も江古田や豊島長崎などに重要有形民俗文化財に指定された富士塚が存在しています。ここの富士塚は都内でも最大規模。教えでは、富士は不死に通じ、富士山に登ることは生命再生という意味もあるといい、富士講では富士塚を富士山に見立て、登山することで富士登頂と同じご利益＝パワーを得る教えといいます。

花こう岩で作られた急な斜面を登る近隣の住人に混じって嬌声を上げるカップル、なにやら思い悩んでいる風な人などなど…。山頂に富士山の女神である木花開耶姫（コノハナノサクヤヒメ※安産の神様でもある）像が建っていて斜面には七福神が安置されてます。普通の人やカップルにはご利益ありそうだけど（家族計画は慎重に！）、ミニチュアとはいえ山頂からはなかなかの絶景、見下ろすと吸い込まれそう。思い悩んでいそうな人は大丈夫でしょうか？？？


富士塚山頂に建てられた木花開耶姫像

富士塚が築かれるようになったのは江戸末期に始祖の高田藤四郎という行者が1780年江戸の高田（現高田馬場）に築いたのが最初です。一説に藤四郎は富士山の人穴（鍾乳洞などの穴、修行場所として選ばれた穴を人穴といった）で修行を積み、空を飛んだり、未来を予言したりしたともいわれ、都内の富士塚にも富士講の秘密の人穴が隠されているというけれど…。　うーん、見つかりませんでした。

古くから住む近所の人に訊くと山頂でのご来光が特に霊験あらたかという話ですが、最近、隣接地区の超高層インテリジェントビル群の再開発（西新宿８丁目再開発）に加え、境内社務所の高層ビル化計画もあり、来年にはすっかりとビルの陰に埋もれて陽も差さない場所になってしまいそう。


新宿高層ビル街を望むパワスポ！ 絶景も今年限りか？

不況の最中の大規模再開発には工事中からテナントの売れ残りも心配されるあたり、富士塚を軽んじると再生パワーも発揮されないのでしょうか？　これは富士塚の呪い？？



木之下秀彦