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2026年の経済と株価は?

 早いものでもう2025年も終わろうとしています。読者の皆さんにとって今年はどういう年だったでしょうか。私にとっては、選挙に出て落選するわ、病気で体力落ちるわ治療の副作用で左足に血栓ができて痛いわ、と散々な年でした(笑)。
 ただ、日本全体にとっては悪くない年だったと思います。総理が石破さんから高市さんに替わったからです。
 高市総理には、私がお仕えした小泉総理と安倍総理との共通点があります。強い信念があって性格が明るく、それを反映して笑顔が非常に良いという点です。
 映像の力というのは凄くて、過去の二人の総理は、テレビに映る笑顔を通じて内面的な部分が伝わったからか、日本全体を明るくしました。それに加えて景気を良くしたので、この二人は長期政権を築くことができたのです。
 高市総理には、この二人の総理と同じ匂いを感じますので、長期政権となる可能性が高いと私は思っています。

 それでは、その高市総理の下で来年の経済はどうなるでしょうか。公約通りの積極財政を行なっているので、日本の景気はそれなりに良くなるはずです。
 株価もそれを反映して上昇すると思いますが、今年のような大幅な上昇は難しいでしょう。金利の上昇を専門家やメディアが騒ぎ過ぎだからです。
 名目金利が名目成長率より低い限り、財政は発散的に悪化しませんし、両者の間にはまだかなり差があるので、そこまで懸念する必要はないはずです。
 それにも拘らず、長期金利が上がる度に日本発で大騒ぎしていれば、それが伝播して海外の投資家も慎重になります。来年の日本の株価は、上昇余地は大きいのに頭を押さえつけられ、かつ円安基調が続くという展開になるのではないでしょうか。

 それ以上に怖いのは米国経済です。景気はスローダウンしているのに株価が高過ぎる現状で、多くの投資関係者の間では、今まで以上にいよいよ深刻にAIバブルの崩壊が懸念され出しています。これが起きたら、米国はもちろん日本の株価も大きな調整局面に入ることになります。
 ただ、来年は米国では中間選挙があるので、トランプ大統領はあらゆる手段を使って景気と株価を維持しようとするし、AIバブルの崩壊を防ごうとするでしょう。それが功を奏するのかもまったく分かりません。
 そう考えると、来年は非常に先が読みづらい年になりそうです。金融投資を行なっている方は、長期・分散投資をベースとしつつも、比較的こまめな利益確定を意識した方が良いのかもしれません。

 

岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。

 

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