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なぜ富士急ハイランドでは事故が多発するのか?

また、富士急ハイランドで死亡事故が起こりました。絶叫マシーン「ええじゃないか」の整備担当者が車両とレールの間に挟まれお亡くなりになったのです。国内外の遊園地における事故統計データが手元にないため正確な比較は難しいながらも、富士急ハイランドは非常に事故が多い遊園地という印象です。以下でこれまでに起こった事故の一部を確認しましょう。


富士急ハイランド公式HPより

・1975年
トランポリン体験施設の利用客が頭から落下し重傷を負う事故が発生

・2007年
絶叫マシーン「ええじゃないか」整備作業者が車両に挟まれ重傷

・2012年
絶叫マシーン「ええじゃないか」走行中車両のボルトが落下、園内通行中の人が負傷

・2016年
絶叫マシーン「高飛車」が乗客7人を乗せたまま高さ約40メートルの地点で約7分間停止

・2021年
絶叫マシーン「ド・ドドンパ」で2020年12月から2021年8月にかけて、男女計6人が首や胸などを骨折する事故が発覚
観覧車の扉が閉まっていない状態で、利用客2人が乗ったまま一周するという事故が発生

このように事故の大半は絶叫マシーン系の乗り物で起こっています。つまり、富士急ハイランドの経営は絶叫マシーンによる収益に過度にこだわっているにも関わらず、リスク管理が不十分であるという仮説が成り立ちます。確かに「ド・ドドンパ」も「ええじゃないか」も、「世界一」を誇る加速度や回転数ですが、いずれも事故が多発しています。

別の観点からみると、富士急ハイランドを運営する「富士急行」の社長一族は過去も現在も政治家です。堀内光雄(元運輸大臣・元通産大臣)、堀内詔子(元ワクチン担当大臣・衆議院議員)は、富士急行の経営と山梨県の政治・経済をリードする存在です。つまり、富士山世界遺産登録(2013年)にも、インバウンド誘致にも、鉄道・道路整備に向けた補助金獲得にも、影響力を発揮できる。これは利権以外のなにものでもありません。

私は、利権がすべていけないとは考えていません。しかし自己の存在を政治的に有利に導くからには安全対策を万全にし、信頼を勝ち得なければただの「利権屋」に堕ちるのみであることに、警鐘を鳴らしたいのです。

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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