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日本の離婚率が著しく低い件

実は日本の離婚率はとても低い。「3組に1組が離婚」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは正しくありません。たしかに結婚したカップルと離婚したカップルを「同じ年」で比較すると3割ほどになるのですが、この年に離婚した全カップルがこの年に結婚したわけではないため実態とかけ離れています*。
*「この年に離婚した全カップル」 と 「この年に結婚した全カップル」 は互いに独立した集合で、どちらかがどちらかの部分集合になる関係ではないため。

では日本の離婚率はどのくらいでしょうか? 正確には、1.69という数字が離婚するカップルを表す数字です。つまり人口1,000人中わずか1組ちょっとが離婚しているに過ぎません(厚生労働省「人口動態調査」より)。この数字は、例えばアメリカは2.9、韓国は2.1、福祉大国のスウェーデンは2.47と比較しても低い数字です。

離婚率の低さの背景には、日本の伝統的な家族観があります。家族を重んじ、家族間の調和を重要視する文化が根付いているため、男女ともに目をつぶり我慢してしまおうとする力が働きます。経済的な要因もあります。経済的に安定していれば離婚しても怖くありませんが、経済的に不安であれば離婚のハードルが高くなります。

でもそれで本当に幸せなのかは疑問です。だから今日は、離婚すべきか思い悩んでいる皆さんにお伝えしたい。

私は、なにも離婚を推奨しているわけではありませんが、夫(妻)といても「幸せじゃない」「浮気ばかりされる」などを抱えながら我慢して暮らすくらいなら「次!!」を目指して割り切る方がいいじゃん。

もちろん、離婚には経済的・精神的な負担が伴うし、特に子どもがいる場合は子どもへの影響を慎重に考えなければならないですよね。だけど「結婚したから一生添い遂げなければならない」という考えに縛られ、自分の可能性を試せないというのならそれが幸せかどうかは疑問です。人生は一度きりだし「合わない」と感じたら、無理に続けるよりも新しい人生を求めて一歩を踏み出すのもアリなのではないではない? 皆さんはどう思いますか?


*朝日新聞主催「熟年離婚考えたことありますか?」ガルエージェンシー出演イベント・オンライン配信中

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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