前回、ペットブームの陰で、安易な気持ちでペットを飼う、もしくは“買う”ケースが増えているというレポートをいたしました。 しかし昨今は飼う(買う)側だけでなく、売る側もいろいろと問題点を抱えているようです。
例えば、売る側の知識が乏しいケース。
チェーン展開する大手のペットショップなどでは、売り子がアルバイトでろくな知識もないままお客に売るケースなどもあるとか。
ペットショップ関係者の話によると…
とても小さいケージの中で売られているペット
(※画像のペットショップは本文とは関係ありません)
子犬は生まれて数ヶ月で『売り物としての価値がなくなる』ということで、そのまま機械的に処分場へ…というケースもあるとか。
また、あまり成長させないように餌も死なない程度にギリギリだけ与えるそうです。
ケージの中の水入れに、水が入っていない場合も
(※画像のペットショップは本文とは関係ありません)
インタビューさせていただいたペットショップ関係者は…
「結局のところ、ペットショップがペット=生き物(命)を取り扱っているという自覚があるかどうかでしょう。大手ペットショップになると、金儲け第一主義に走るところが多い。」
ということでした。
▲不要犬ポスト
また、ペットショップとは少し話がそれますが、その関係者が教えてくださったことによると…
「北海道には“不要犬ポスト”というのがある」
ということ。
TVでも報道されたことがあるということでしたが、それは不要になった犬をそのポストに入れておくというもの。
大きい犬はそのポストにつないでおくらしいです。
そして、業者が“回収”に来て、処分されるということです。
宮崎にもあったが、そちらは数年前に抗議により撤収、それと引き換えにペットの「里親探し」を役所ですることにしたそうです。
関係者によると、北海道では未だにそのポストは存在しているとか。
帯広市でも、平成5年7月にこのポストは全廃したとの事です。
その他、ペットの躾をしてくれる店などもありますが、預かったペットをゲージに入れっぱなしで、餌と水をやる以外は散歩もなしということもあるらしいです。
当然、訓練などもしないので、躾が身に付く訳がないのですが、そのことで客からクレームがくると…
「うちはちゃんと躾ました。あなたのやり方が悪いんじゃないですか?」
などという、企業として考えられない対応をするそうです。
犬のみならずお客もあまり大切ではないようで。
この他、不潔な環境で飼うケースなど、まだまだ悲惨な実情があるのですが、全てにおいて共通してくるのは、上で取材させていただいた方もおっしゃっていますが「生命をとりあつかっている」という意識の欠如でしょう。 ペット=商品であり、ペット=生き物であるという大前提が忘れられているのが現状です。
前回の飼い主側のレポートでもそうでしたが、飼う方のみでなく売る側の方にも「ペットはモノでなく生き物である」ということを忘れずにいただきたいと思えてなりません。
( 探偵ファイル )