---其の壱
     ---其の弐
     ---其の参の壱
     ---其の参の弐
     ---其の四
     ---其の五

●日本心霊マップ 特別対談 其の四

 
つのだじろう(漫画家) 渡邉文男 (探偵軍団BOSS)

まず、つのだ先生の25年振りに執筆された本のご紹介です。

つのだ先生が、今回「恐怖新聞」と「うしろの百太郎」の、 新作を発表
されました! 二本ともオール書き下ろしです。 《週刊少年マガジン3月19日号増刊》「恐怖新聞 平成版」 全国の書店、コンビニ店で好評発売中。
ファンには、たまらない内容になっています!

渡邉: うしろの百太郎なんて、新鮮で面白いぞ〜!
俺達の世代には溜まらん!!



地縛霊について

つのだ: 今日はテーマは?何を話す?
渡邉: 自縛霊です。
それと因縁霊ですね。自縛霊にも2通りあるとか?
浮遊して、人間に悪さをしたり、語りかける霊魂もあれば、
その場所に縛り付けられて自縛霊になっているのもいるとか?
先生が命名されたんですよね?
つのだ: いや昔からあったよ。
ごく狭い世界だけの専門用語だったけどね。
渡邉: 自縛霊は動けないと云いますが、
浮遊霊だと、なぜ動けるのか?なぜ縛られるのか?
そこの違いというのを、教えて欲しいんですよね。
つのだ: それは霊魂自身の意思なんだよ。
まあ、おおまかに言ってだけどね。
浮遊霊の場合、事故死をした人とか…そういうケースが
比較的多いんです。
生前、霊魂の存在を信じてなくて、突然飛行機事故とか、
交通事故にドーンと合ったとするでしょ。
突然死で自分がどうなっちゃったか解らなくなる。
渡邉: つまり、死を自覚してない霊?
つのだ: そうそう。自分が死んだのを解ってないんですよ。
霊魂になっているのに自分としては意識があるから、死んだんじゃないって思うわけだよな。
渡邉: あとは肉体がついてるかってどうか。自覚してない。
例えば人に語りかけたり接触しようとしたら、
映画の「ゴースト」みたいにふっとぬけちゃう。
それでもやっぱり、死んだ事を信じたくないでしょうね。
つのだ: 認めたくないというか、信じたくないというか。
生きてると思い込んでるんだよね。
『なんで通り抜けちゃうんだ?
なんで皆すれ違っても、話ししてくれないんだ?』
と、訳の解らない疑問は腐るほど持ってはいるんだけどね。
渡邉: あー、そっか〜・・・
つのだ: でも、そういう場合、霊能者に説得されたりした時に、
『あなた。肉体無いじゃん』って言われると…
『うん無い!』とかいうような感じになる訳ですよね。
浮遊している連中は…。
渡邉: 霊能者に悟らされないと浮遊のままなんですかね?
つのだ: 時期がきて自覚するって時もあるし、当然、背後の守護霊
やらなにやらが色々いる訳だから、彼等が解らせようって
いろいろやるわけじゃない?
渡邉: 霊のみぞ知るってわけですか。
つのだ: そうそう。
早く行く処に行かないと、そのまま因縁霊になってしまう
場合もあるしね。
だけど生きてると思い込んでる間は、執着があるから…。
まあこれは有名な話だから、言うまでも無いけど、
坂本九ちゃんが墜落事故で亡くなったときに、
俺に憑依してきたと云う《実話》があるのね。
渡邉: あの全日空の…5百何人死んだ飛行機事故?
つのだ: 実は九ちゃんも浮遊してたんだよ。
渡邉: へー(驚嘆)
つのだ: つまり迷子になっちゃうんだ。
自分の家も解らない、自分がどうなってるのかも解らない。
それで色んなヤツのところへ行って、
話し掛けたりすんだけど、解ってもらえない。
それが、たまたまボクの処へね。
つのだ: 内輪の話しなんだけど、漫画家の石ノ森章太郎(故人)って男がいただろ?
あいつは俺のトキワ荘仲間で、お互いオカルト好き
だったんで、生きてる時にしょっちゅう俺と飲んだんだよ。
それでね。『お互い。相手より先に死んだら、絶対霊魂になって出て来よう!』って固い約束をしてるんだよ。
つまり霊魂が確かに存在するっていう事ならば、出られるはずだし、出て来ようって。
そうすれば証明になるでしょ?
でもあいつ。死んで4,5年だけど、まだ俺んとこ出てきてないんで、あいつはまだ向こうで、自由に動ける立場にいないのかな?
…って思ってるんだが…。
渡邉: なるほど。
あとは黄泉の国の釜のふたが開いたときに訪問するっていう …。
つのだ: どこへどう連れて行かれるか?は、
死んで見ないと解らないからね。
渡邉: で…自縛霊の話ですが…。
つのだ: 2つあるんですよ、
地面の地って書く《地縛霊》と、自と書く《自縛霊》とね。
渡邉: ははー、そっかそっか! 気がつかなかったなぁ。
つのだ: 「地」と書くのは、その場所。土地に執着をもっちゃてる。
私の家はココだとかね。自己の「自」と書いた自縛は、自分で自分を縛りつけちゃう。
渡邉: ほんとは動けるんだけど…、動けないって思いこんじゃう?
つのだ: そう、自分は動けないんだ…と思い込んじゃう。自閉症みたいにね。
渡邉: だからあの交通事故の現場とかでは、そこで事切れたと自覚
してるから、もうそこで、死んだと思いこんじゃってるんですか?
つのだ: うーん、そうじゃなくてね、あくまでも一般論で一例だけど、 交通事故で死んでも死んだとは思ってないんだよな、
ただそこの場所に何故か縛りつけられちゃう。
あげく、例えば、列車事故なんかで、手首がなくなっちゃた、 首がなくなっちゃたといった場合、そこで一生懸命、
自分の手首や首を探してたりする事があるんだよな。
渡邉: 怖っ!!
つのだ: いずれにしろ霊魂になっちまうと…まず、孤独地獄になるんだよ。
渡邉: ムショ以上ですもんね。
つのだ: そうそう、だって…人に話しかけても筒ぬけちゃう、
誰もわかってくれない。
そうすると、そう淋しがってるやつらに、地獄波動の連中が
声を掛けてくるんですよ。
東北から出てきた家出娘がいたとすると、剃り込みの奴とか
が 餌食にしようと、声を掛けてくる類と考えれば、解りやすい。
渡邉: いっぱいくるんだ。
つのだ: 兎に角、悪いほうに連れて行こうとする。
渡邉: 悪霊がいるんですね!そうゆう。
つのだ: 「誰か通りかかったらそいつを自殺させろ。
そうすりゃお前は良い世界へ行ける」なんてウソ八百を並べてね。
渡邉: コミニケーションが取れる仲間があると、ついそっちへ引かれてしまうって訳ですか?
つのだ: やっぱり自分が助かりたいから、人を引き込むっていうそういう流れがあるんだな。
だから自殺して死んだやつとか、交通事故で死んだやつとかは… 死者自体が悪霊って訳じゃないんですよ、
悪いのが手を差し伸べてきてるのであって、淋しいから思わずはまっちゃう。
渡邉: その悪いのってのは、何故悪くなるんですかね?
つのだ: やっぱり生きている間に自分の満足ゆく人生が送れなかった。
誰だって、モテたモテないとか、自分は凄い真剣に恋愛をしたのに、相手がろくな対応をしなかったとか、なんで私がこんな目にあうんだみたいな、そういう恨み辛みが生きている間に、具体的にあるじゃないですか。人間って…。
渡邉: 八つ当たりみたいなものですか?
つのだ: うーん??兎に角、そこを良くない類の霊魂に利用される。
渡邉: 利用して勢力を拡大しようとしてる?
つのだ: うん。
霊魂ていうのは、みんな個人一体と思ってるけど、そうでなく、同種の魂は吸い寄せられる様にあつまり、やがて同類の波動が合体して、ひとつの塊になっちゃうんだ。つまり地獄の霊団みたいのは、悪いエナジーの塊なんだよ。
渡邉: ブラックホールみたいに、周囲を巻き込むんですね。
でも…ほんと、煩悩だな。
生きてても煩悩、死んでても煩悩なんですね〜。
つのだ: そうそう、浮遊霊とか自縛霊になっちゃうやつは、
まだ生の煩悩が有るワケですよ。
そりゃ死んだと思ってないんだから、煩悩はあるわな。
渡邉: その悪いほうに引き込もうとしている連中も、
死んだとは思ってないんですか?
つのだ: それは解らない。ただどんどん合体していく訳ですよ。
それが非常に怖いんですよ!強いパワーになるからね。霊魂の塊りってのは、同じ物の考え方をどんどん集約して行って大きな力・強い力になるんだ。
渡邉: 結局は自縛を解くには…地縛も自縛もですね、それは霊能者の力しかないんですか?
つのだ: 自分で気づくこともあるんですよ。
そういう環境に置かれて「なんでこうなんだ?」と自問自答することで『あ、やっぱ死んだんだ!』と気づく。
渡邉: 自助努力ってやつですね。
つのだ: 当然背後霊などがサポートしてるから。
いつまでも気づかない奴が一番困るんだよね。
渡邉: 何百年ていうのありますよね、何百年気がつかないっていうのは、呪いなんですかね?
つのだ: 呪いってこともないが、やっぱ気づかないんだよね、
ひとつ具体的な例をあげると霊能者の西塔恵さんで霊査した
ケースで、うちにきた相談者なんだけど、鎌倉の大きな池があって…、そこで自殺してるわけ。
西塔恵の場合は、その霊魂を自分にいったん呼び込んだりする。
「あんた何言いたいの?」ってことを、自分の身体に入れて解析するわけ。そうすると、見てる間に顔色が真っ青になっちゃうの。
体がガクガク震えて…、止まらなくなっちゃうんだよ。
つまり600年700年も寒いまんま。ずーっといたわけですよ。
その池の地縛になっちゃってるんだよね。
その寒さを霊能者が体感しちゃう。
渡邉: そこまで古い霊魂?
それじゃぁ鎌倉とか安土とかですもんね。
先生見てたんですか?
つのだ: 見てましたよ、家でやったんだから。
たしか写真も残ってるよ。
普通に写真撮ってるのに、西塔恵ちゃんの顔が真っ青に
なってる。

つのだ: 霊魂のこと解ろうとしたら、やっぱり現場に立ち会わなきゃ、駄目なんですよ。心霊調査だって解っている人だけで行くと、
一般はヤラセっぽく見ちゃうじゃない。
だから、あくまで思いつきだけど、このサイトで《心霊スポット調査》をするならネット見に来ているユーザーの希望者を5人か10人。連れて行くってあるよな。
もちろん一流霊能者も同行しての話だから…。
渡邉: なるほどー、一般公募してですね。
つのだ: そう。一般の人は、霊能者と一緒に行けるっていうチャンスってないわけだし。
渡邉: そりゃ相当いいネタになりますね。
つのだ: 4月に「心霊スポット調査」計画しているんだろ?
急な公募じゃ、今回は無理としても次回はそれでやるぞ!
って方が、盛り上げになるじゃない。
渡邉: 2段階、2段ロケットですね。うちの女探偵どもが大丈夫かどうか。
多分怖がって,うしろで隠れてると思いますけど。
つのだ: BOSSは羨ましいな、いつも女性に囲まれてて。
渡邉: そうですか?
つのだ: 美女にかこまれて(笑)
俺なんか、いつも幽霊に囲まれてるっての に。
渡邉: わはは!! 幽霊ですか!!(笑)
心霊スポット調査も、ある程度準備期間をおいたから
良かったな…と思いますよね。
夏前に慌ててやるよりも、春先からずっと仕込んでって
夏っていうのが、一番いいですからね。
つのだ: さっきの公募だけどさ、応募者って100人200人とか来ちゃうんじゃないかな?
渡邉: 書き込み自体は、今あまり先生も入られてないし、
うちもそんなに「掲示板」自体にはリキいれてないんですけど、オカルトサイトでは、ダントツのヒット数なんですよ。
もう1日のアクセスは、ぶっちぎりでオカルト・サイトナンバー1になりましたから…。もうホントにちょっと公募したら、あっという間でしょうね、だから抽選ですね、多分。
つのだ: 抽選ね。そうだろうね。
渡邉: 今度動画配信できるようになりますので、楽しみです。
つのだ: 自縛と浮遊の話に戻すけど、いつも云うが一応分類はあるわけ だけど、それを分類して見ても一般人には意味ない。
解ったような気になるだけでね。霊魂の世界だってもし学者が発見したら『いる』って事になるんだろ? それは変だよね。
渡邉: 発見から始まる…、では無いってことですか?
つのだ: そうそう。もともと彼等はいたんだもん。
渡邉: ぼくも小学校2年の時に、初めて霊魂を見て…、それから
「やっぱりいるんだな!」って解ってから〈信じる信じないの前に〉、存在自体を認めましたもん。
それに見てない人は存在を認めたくないでしょうし。
つのだ: 信じたくない人を説得する必要はないんだよな。
渡邉: 僕も皆に言ったんです。
「半分ぐらいは信じて話しを聞いて、半分ぐらい は信じないでなに言ってんだ!」って感じで聞けって。
つのだ: まぁ俺が自信有るのは、いくら学者が否定したところで
《有るものは有る!》って事だよ。
これだけは自信あるわな。
だから大きな顔して、こんなこと言ってる。(笑)
渡邉: そうですね・・・、西塔先生も言ってるとおり、誰が見てもハッキリ写っている映像を撮りたいってのは、探偵軍団の、ひとつの目標ですね。
つのだ: だからやりましょうよ。それをやる為に動くわけでしょ?
俺が『週刊少年マガジン』に掲載した、西塔恵さんの写真(正真正銘の幽体離脱の写真)だって、全部ポラロイドなんだから…。
渡邉: ポラは細工しようが無いですからね。
つのだ: そう、そんな画像を出してしまえば「信じる信じない」は、ともかく…確かに存在するって云う、ひとつの証明なんだから。
渡邉: えぇ面白い!ぜひともやりましょう!!
続く

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