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ど田舎でも地域の活性化は十分に出来る!

福岡県築上町寒田地区という田舎
 読者の皆さんは福岡県の築上町をご存知でしょうか?絶対知りませんよね。大分県との県境に近く、大きな工場もなく主要産業は農業、人口減少が進行中で今の人口は1万5千人という、どこにでもあるような小さな地方都市です。
 この築上町の山あいに、寒田(さわだ)という中山間地域があります。棚田が広がり住民は高齢者ばかりという寂れた地区なのですが、友人からこの地区を活性化させたいと相談を受け、訪れました。
 私はこれまで10年以上様々な地方の活性化に携わり、今は熊本県、沖縄県、山梨県で活性化のプロジェクトを進めています。その経験から、高齢者ばかりの寂れた中山間地域の活性化など無理だろう、と行く前は思っていたのですが、寒田地区を訪問して、自分の浅はかさを反省することになりました。

高齢者自身が地域の魅力になれる
 地方の活性化では、企業や工場などの誘致もさることながら、その地域を訪れる人、住みたいと思う人の数(=交流人口)を増やすことが大事で、そのためには、人を惹きつけるその地域の魅力(=コンテンツ)を強化することが不可欠です。
 寒田のような中山間地域にはそのような魅力はないだろうと勝手に思っていたのですが、いやー、我ながら本当に浅はかでした。あったんです。それは地域の住民の高齢者の皆さん自身、そのホスピタリティだったんです。これは私にも盲点でした。
 寒田のおばちゃん達が”わくわくガールズ”というチームを作って、地元の古民家レストランを運営しようとしているのですが、このおばちゃん達と話しお世話されているうちに、また会いたいという気持ちになるのです。自分の田舎のおばちゃんに会うような懐かしい感じとでも言えば良いでしょうか。だから、私はもう二度訪れました。
 かつ、地元の食も可能性ありそうでした。今は世界中で、人が地方を訪れる最大の目的は食になっているのですが、正直まだガールズのおばちゃん達の料理はそのために訪れるレベルではありません。でも、おばちゃん達を質問攻めにしたら、この地区の伝統的な料理で魅力あるものが結構眠っていました。おばちゃん達も質問されて思い出したと言っていたくらいです。
 なので、地元の高齢者のホスピタリティに加え、寒田地区ならではの食を強化すれば、ここを訪れる人の数を増やせるはずです。
 ちなみに、たくさんの観光客が来るようにする必要などありません。そもそも寒田地区には飲食店も宿泊施設もほとんどないので、多くの人が来ても困るだけ。逆に、地元の高齢者の皆さんが適度に忙しくなるくらいに、定期的にこの地区を訪れるファンを増やせられれば、中山間地域の活性化としては十分なはずです。

地方の活性化は楽しい
 寒田地区を訪れて改めて思ったのは、日本は長い歴史が地域ごとの魅力を育んだのだから、どんなど田舎でも活性化できるポテンシャルがまだあるということです。
 そして、地方の活性化というのはチャレンジングだけど楽しい取り組みです。実際、私はわくわくガールズのおばちゃん達に食に関してたくさんの宿題を出したので、次訪れてその回答を食べられるのが今から楽しみです。それが終わったら、本格的に寒田地区の活性化に取り組むつもりです。
 読者の皆さんの中で地方にお住まいの方がいらっしゃったら、自分の地方の本当の魅力は何か、それを元に活性化できないかを考えてみてはいかがでしょうか。

                        わくわくガールズのおばちゃん達

 

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岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。

 

 

 

 

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