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遺書じゃありませんよー

 あらら、BOZZを勘違いさせてしまい申し訳ないです。前回の原稿は遺書みたいなつもりで書いたのでは全然ないんですよ。
 実際、治療のおかげで血液の数値はかなり改善しています。治療で強い薬を打ち/飲み続けている影響で身体はしんどいし疲れやすくなっていますが、これなら予想以上に長生きできちゃうかもと思い出している位です。

 では、なぜ“1年後に死ぬと考えて日々の決断をするのが良い”と書いたかというと、このアプローチは多くの人の役に立つと真剣に思ったからなんです。
 若い世代の行動パターンは大きく変わりつつあるとはいえ、日本人は農耕民族ゆえの真面目さからか、物事の判断をする時に現状維持を選びがちです。直感的には正しいと思っても、実際には仕事でリスクの大きい決断を避けたり転職に躊躇する、プライベートでも大きな冒険は避ける、という経験のある人が多いはずです。

 ちなみに、(受験戦争と出世競争を勝ち抜いた)日本的エリートの人たちは特にその傾向が強く、仕事での判断は前例の延長ばかり。だから、失われた30年の間に日本の企業の競争力が大きく低下して貧乏になってしまったのです。
 そういう人たちを見ると、みんなポテンシャルあるのに勿体無いなあ、現状維持や前例の延長ばかりの人生で楽しいのかなあ、といつも思ってしまいます。
 だからこそ、そういう人ほど、1年後に死ぬならどう行動すべきかと考え、もっと好き勝手やってみてほしいと心底思います。少なくとも私はそう意識して行動するようにしてから、人生が今まで以上に楽しくなっています。
 それで失敗したらやり直せば良いんです。人手不足の日本で一度仕事で失敗しても困窮極まることはあり得ません。私は好き勝手の極みで1年前にBOZZを含む周りの反対を無視して参院選に出馬して落選しましたが、今も何とかなっています。

 ちなみに、今私がやりたい好き勝手は、まずプライベートでは米国に行き、愛するRUSHというプログレバンドの再結成&結成50周年ツアーのコンサートと、これも愛するNBAのNY Knicksの試合を観ることです。金に糸目つけず必ず行きます。
 仕事では、ようやく自分なりの正解が見えてきた二つの政策の実践・確立です。一つは日本の音楽をもっと海外に出して、日本ファンを大きく増やすこと。もう一つは地方活性化の理想的なモデルを構築すること。自分が関わっている山梨、熊本、北九州のど田舎、沖縄で意地でもやります。この二つの政策を実現するためなら、自分の収入に繋がる仕事などいくらでも犠牲にするつもりです。

 

岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。

 

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