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大量の留学生で教室不足、雑居ビルの一室で大学の授業が行われる奇妙な光景

(1)問題の背景

海外から多くの留学生を受け入れた結果、所在不明になる学生が相次いだことが報じられた東京福祉大学。3年間での留学生の受け入れ人数は約1万2000人、そのうち所在不明が約1600人、退学が約700人、除籍が約180人であるという。所在不明の学生の大半が、定員に上限がない「学部研究生」だった。

学部研究生として受け入れられた学生たちの多くは日本語能力が乏しく、継続的な学習は困難だった模様だ。また、実際のところは在留資格の取得を主な目的として入学していたのではないかと推測されている。文部科学省は、このような状況から判断して、学部研究生の新規受け入れを認めない方針だ。


(2)雑居ビルに教室が

東京福祉大学では大量の留学生を受け入れた結果、施設や教員が大幅に不足する事態となった。教員1人あたりが担当する留学生の人数は、ここ数年で倍以上になったという。留学生を主に受け入れていた王子キャンパス(東京都北区)では、彼らが使用する教室が足りなくなり、キャンパス外に新たに教室を設置することとなった。

 

 

教室として使われることになった建物の一例が、王子キャンパスから徒歩10分ほどの場所にある雑居ビルだ。当サイト読者の地元住民は言う、「外国人の若い人たちが建物の階段や踊り場にたくさんいて、ここには一体何があるんだろうと思っていました」。その建物が教室として使われていたことが報じられて、初めて状況を理解したという。

 

 

(3)現地の様子

このたび当サイトでは、現地を訪問した。当該の建物が大学の施設の一部であること、もしくはそこが大学の教室として使用されていることを示すものは、建物の外壁等には一切見当たらなかった。建物の1階にはコンビニがあるが、休憩時間等にそこを利用する学生たちをよく見かけると、情報提供者は言う。

 

 

当サイトが現地を訪れたのは平日の夕方だったが、その日は授業が行われていなかった、あるいは既に終了していたようで、学生の姿は皆無だった。2階や3階の入口には、「関係者以外立入禁止」と掲示されている。全ての文字に仮名が振られているのは、日本語の読み書きが困難な留学生に配慮したものと思われる。

 

 

さらに、この建物の近くにある別の雑居ビルも、2階が教室として使われている。建物の1階は銭湯であり、隣接する教室入口にはやはり「関係者以外立入禁止」という貼り紙があった。情報提供者曰く、「教室のある階は元々、別の施設が入っていたんです」。それが空いて、大学の教室として使われるようになったようだ。

 

 

(4)大学への取材

当サイトでは、東京福祉大学に話を聞いた。担当者によると、王子キャンパス外の雑居ビル等を教室として使うようになったのは、約3年前からであるという。現在も引き続き、それらの教室を使用しているそうだ。教室数やそこに通っている留学生の人数については、公表していないという。

授業の合間の休憩は10~15分間程度だが、その時間に教室外に出て、階段や踊り場で休憩したり、コンビニを利用したりする学生たちがいるようだ。昼休みなどの長時間の休憩に利用することのできるスペースも、建物内にあるという。留学生をめぐる問題については、文部科学省の指導に従って改善していくとのことだった。

 

高橋 

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