不安と空腹で一睡もしてないモルモットくん。
一夜明けて、検尿と聴診を行い、
早速、実験開始!
事務机の上に薬を置いてあるだけで至ってシンプル。
よく見てみると頓服用の赤い包み。
警戒色が目に痛い。
時間を計りながら、飲み方まで指定されて、本当に飲んだかを口の中まで調べられる。
今回の薬は睡眠薬の一種なのだが、
「寝ないでください」
と、驚愕の一言を告げられ唖然とする。
血中の成分を調べる以上、変化を少なくする為だとか。
理由は理解できるが、もはや拷問である。
そして、ベッドへ移動し、1時間置きの採血。
1回につき、約10ml。
ちなみに何回も失敗
注射そのものはそれ程苦痛ではないが、薬が効いているのかとにかくダルイ。
睡魔に負けると看護士のオバちゃんに起こされる。
1人位若い人がいないかと期待にいろいろな所を膨らませていたが、本当に膨らんでいたのはなぜか局部のみ。
誤解するな。決してマザコンというわけではない。
疲れているのに、人体の神秘をよもやこんな所で知ることになるとは。
2日目以降は採血の回数がグッと減り、1日に2、3回。
体は少しダルイが、薬の効果もないので眠くはない。
しかし、最大の敵は意外なところからやってきた。
とにかく退屈。
後輩に借りたゲームが非常に頼もしい。
ひたすら暇と闘いながら残りの日数をこなして最終日。
腕は注射痕だらけでまるでジャンキーの様。
帰り道で職質を受けると中々楽しいことになりそう。
この入院を2週間程の期間を空けて2回行うと、ついに待ちに待った報酬を受け取れる。
今回の実験で12万円をGET。
同じ日数でも実験によって報酬の額はかなり違い、だいたい6万~15万の範囲。
やっぱり基準は危険度なのか…?
いずれにせよ、命銭を手に入れたことには違いない。
さ、まずはローンの返済だ。
後日談
薬の副作用なのか数日は体がダルイまま。
しかし、理由はどうあれ今後の医療に役立つと思えば、たいした苦じゃない。
あぁタバコがうまい。
おわり
モルモットくん