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慰謝料って?


こんにちわ、BOZZです。今回は質問が多い離婚の時の慰謝料について。
面白い(えげつない)事例を船引探偵に調べてもらいました。


 性的不能でも不倫が成立

夫は大学教授でオペラ歌手だった。不倫相手の女は大学院生で、教授から声楽のレッスンを受けていた。女は音楽界でのコネを目当てに、執拗に教授を誘惑した。教授は糖尿病であり、性的不能であったが、下着姿で不倫相手の女と抱き合い身体を触ったり、キスやペッティングをするなどの濃密な性的行為を繰り返して、「浮気」と認定された。浮気期間は10ヶ月だった。



原告:妻

被告:夫の不倫相手の女(夫の教え子である大学院生)

・不倫慰謝料請求額:700万円
・夫婦関係:継続

・裁判の主旨:不倫相手の女が我が物顔で家に出入りしたため、家具や風呂を見るだけで嫌悪感に襲われるなど、妻が多大な精神的苦痛を被った。しかし裁判前に、不倫相手の女は任意に妻に500万円を支払っており、妻の損害は既に慰謝されているとされた。
・裁判で認められた金額:被告は任意に500万円を支払っていたため、この裁判上では0万円だが、実質は支払済みの500万円が相当であると認容されたことになる。

(平成25年5月14日、東京地方裁判所)

 不倫看護婦が「不倫を止めるつもりは無い」と明言

医師である夫が、看護婦と不倫関係になった。発覚後も関係を継続した。婚姻期間は6年で、不倫期間は4年以上に渡っている。不倫相手との間に子どもを2人もうけている。





・原告:妻
・被告:夫
・不倫慰謝料請求額:800万円
・夫婦関係:継続

・裁判の主旨:看護婦は「不倫関係を止めるつもりは無い」と明言している。夫は、離婚もせず、かといって不倫も解消しないなど、その他一切の事情が考慮された。
・裁判で認められた金額:500万円

(平成18年3月31日、東京地方裁判所)


 夫が20年間、死ぬまで不倫をし続けるも無断外泊無し

夫は、近隣に住む女と不倫関係になり、肉体関係を持つに至った。婚姻期間40年で、死亡するまでの不倫期間は20年間だった。夫は毎日、女の住居に通い続けた。しかし、夜には自宅に戻っていた。不倫相手の女は、2人の子どもを出産した。






・原告:妻
・被告:夫の不倫相手の女
・不倫慰謝料請求額:1億円
・夫婦関係:夫の死亡まで継続
・子ども:2人(長女、次女)

・裁判の主旨:不倫相手の女の住居は、近隣であった。妻は、夫の愛人や隠し子についての風評にも悩まされ、多大な精神的苦痛を被ってきた。一方、夫が死亡に至るまで婚姻生活が破綻に至ったとは認められず、妻は夫のことは宥恕しているものと解される。夫は無断外泊をしたことが一度も無かった。こうした諸事情も含めて考慮し、原告に認容すべき慰謝料額としては500万円が相当である。
・裁判で認められた金額:500万円

(平成19年7月27日、東京地方裁判所)

 不倫相手の子どもを産み夫の子どもとして育てた

妻は、母親の主治医である男と不倫関係となった。婚姻期間は18年で、不倫期間は2年だった。その間に妻は不倫相手の男の子どもを妊娠して出産した。何食わぬ顔で、夫の子どもとして育てた。不倫相手の男には妻と3人の子どもがいた。

 

・原告:夫
・被告:妻の不倫相手の男
・不倫慰謝料請求額:1,000万円
・夫婦関係:協議離婚
・子ども:3人(長男、長女、次女)。次女は、DNA鑑定で99.999%不倫相手の男の子どもと判明した。しかし、親子関係不存在確認の訴えが却下され、法律的には夫の子どもと確定した。

・裁判の主旨:DNA鑑定によって不倫相手の男の子どもであると判明後も、不倫相手の男は法律上の父であることを否認し続けた。夫婦は協議離婚に至った。
・裁判で認められた金額:500万円

(平成21年1月26日、東京地方裁判所)

 

 妻が不倫で600万円の借金をして夫が返済

婚姻期間は25年と長く、不倫行為発覚までは夫婦仲は普通であった。不倫行為は2年間、肉体関係を持った回数は10回以上だった。妻が不倫相手との享楽のためにサラ金で600万円以上も借り入れて費消し、家事や育児を放棄するようになり、夫や子どもたちはサラ金からの取り立てに脅え、親族から借り入れをしたり、自宅を担保に借り入れをして返済してきた。




・原告:元夫
・被告:元妻の不倫相手の男
・不倫慰謝料請求額:(請求額不明)
・夫婦関係:協議離婚
・子ども:2人(長男、養女)

・裁判の主旨:妻は、夫の両親、兄、姉の面倒をみていた。夫は貿易会社に勤務して海外出張で年間約200日も家を留守にすることもあり、妻の心中を察することができなかった。夫の母の死亡後、妻の生活態度は急変し、夜間に酒を飲みに外出し、不倫相手の男とスナックで客同志として知り合った。借金までして金銭を浪費するようになったが、結婚生活で生じた心の隙間を埋める欲求から出たものであり、不倫相手の男が一方的に誘惑したためではなかった。しかし、妻が不倫のために作った借金を何も罪のない夫が肩代わりしたことなどの事実を総合して慰謝料として金500万円が相当であるとした。
・裁判で認められた金額:500万円

(昭和60年1月30日、浦和地方裁判所)

※「判例タイムズ」から引用させていただきました。

 

 夫の勤務先に妻との不倫写真をハガキで送付

夫は、出版社で総務部長の職にあった。不倫相手の男は、中古自動車販売会社を経営していた。妻と不倫相手の男は町内の自治会で知り合い、情交関係を持った。不倫相手の男は、夫婦関係を悪化させれば、妻が自分のところに来るものと考え、夫の勤務先に妻との不倫関係を記載したハガキを10通送った。性的関係を淫らな言葉で描写した短文、不倫関係の二人が寄り添った写真、肉体関係を持った日に丸印を付けたカレンダーの画像などを送付した。不倫相手の男と妻は同棲に至った。

 


・原告:夫
・被告:妻の不倫相手の男
・不倫慰謝料請求額:500万円
・夫婦関係:破綻
・子ども:2人(長女と長男)

・裁判の主旨:夫の勤務先に、不倫関係を記載したハガキを送る悪質な行為により、夫は勤務先関係者にまで妻の不倫を知られ、社会的名誉も著しく毀損された。子どもらも自棄的になり、成績も低下し、母の生活態度を楯に反抗的になってしまった。夫が多大な精神上の苦痛を被ったことは多言を要しないところ、慰謝料額は少なくとも金500万円を下らないと認められる。

・裁判で認められた金額:500万円
(昭和60年12月25日、浦和地方裁判所)



~後半に続きます

船引探偵

1981年から:ハードボイルド小説の私立探偵フィリップ・マーロウのファン 
1996年から:BOSSの『完全探偵マニュアル』を愛読 
2002年から:『探偵ファイル』を愛読 
2022年から:プログレッシブ・ロックバンド『YES』のギタリストのファン 



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