「事故物件には絶対住めない。」

そう考える人は多いでしょう。ところが実際に住んでいる人は、どんな生活を送っているのでしょうか。今回、事故物件で暮らす30代の男性に話を聞きました。
男性が事故物件を選んだ理由はシンプルでした。
「家賃が相場より約2万円安かったんです。生活費を考えたら、その差は大きかったですね」
契約時には、前の住人が室内で亡くなったことを不動産会社から説明されたといいます。
「最初は少し不安でした。夜中に何か起きるんじゃないか、と考えたこともあります」
しかし、実際に住み始めて半年以上が経った今まで、心霊現象らしい出来事は一度も経験していないそうです。
「物音や金縛りもありません。本当に普通の部屋ですよ」
一方で、周囲の反応は予想以上だったといいます。
「事故物件だと話すと、『絶対無理』『怖くないの?』と言われます。でも遊びに来た友人は、みんな『思ったより普通だね』と言います」
実際に住んで感じたのは、事故物件であることよりも、築年数や設備、近隣住民の生活音など、一般的な賃貸と同じ悩みのほうが大きいということでした。
「気になるのは水回りや騒音ですね。事故物件だから困る、ということは特にありません」
近年は家賃の高騰もあり、事故物件をあえて選ぶ人も少しずつ増えているといわれます。心理的な抵抗はあっても、現実的な家計を優先する人がいるのも事実です。
もちろん、事故物件に抵抗を感じる人を否定するつもりはありません。ただ、実際に住んでいる人の話を聞く限り、「事故物件=住めない場所」というイメージは、必ずしも現実とは一致していないようです。
怖いのは部屋そのものではなく、「事故物件」という言葉が生み出す先入観なのかもしれません。

櫻麗
猫と紅茶があればご機嫌です
