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泥沼の相続争い その2 -唐沢寿明主演「プライベートバンカー」のリアル

以前、絹子(仮名、92歳)の資産26億円をめぐるB子と兄A夫妻の泥沼の争いをお伝えしました。私の友人で東京在住のB子は、実家である福岡在住のA夫婦のもとから絹子を引き離し東京に連れてきました。

絹子はA夫婦から日常的に高齢者虐待(言葉の暴力)を受けていました。土地の一部を絹子がA夫妻に勝手に「贈与」したことにされたり、登記済み権利書などの重要書類や現金・カード類をすべて取り上げられたり。

A夫妻が絹子の資産をコントロールしようとする意図は明らかで、B子は怯える絹子を助けたつもりでした。絹子もまたB子との平穏な暮らしを望んでいました。更なる恐怖が襲いかかってくるとも知らずに。

ある金曜日の夕刻、勤務先を出て自宅に帰るところを、B子は警察署員に呼び止められ「警察署まで同行願います」と言われました。理由を聞くと警察は「あなたが絹子さんを連れ去り、心理的・身体的な暴力を振るっている可能性があるから調べて欲しいと福岡のA夫妻から連絡がありました」と言う。絹子をA夫妻の高齢者虐待から救い出したB子が、逆に絹子を虐待していると疑われている・・・動転したB子は疑いを晴らそうと警察署に行き、「高齢者虐待をしていたのはA夫妻で、私は絹子を救うために東京に連れてきた」と何時間もかけて必死に説明したそうです。B子の必死さが少しは伝わったのか、「絹子さんと再度警察に来ていただいて無事が確認できれば我々は手を引きます」と警察。やむを得ず絹子と再度警察署に同行したB子は、絹子が「私をいじめていたのは長男Aの嫁で、B子は私を助けてくれた」と証言したことによって疑いを晴らすことができたとのこと。

「プライベートバンカー」公式HPより

 

B子は今、A夫妻が絹子を高齢者虐待した決定的な証拠を入手しようと動き始めました。その気迫は唐沢寿明主演「プライベートバンカー」さながら。決して諦めるはずのないA夫妻からの仕打ちに怯えながら。B子が頼るべきはやはり探偵なのかもしれません。

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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