
「出禁って、実際かなり少ないんですよ」
そう話すのは、歌舞伎町でバーを経営する30代の男性です。夜の街では“出禁”という言葉がよく使われますが、実際には、酔って騒いだ程度ですぐ出禁になることは少ないといいます。
「泥酔とか口論なんて、正直この街では珍しくないですから。1回うるさかったぐらいではすぐ切りません」
では、店側はどんな客を“本当に危ない”と判断するのでしょうか。男性は、「女の子との距離感を勘違いし始める人が一番怖い」と話します。
実際に、過去にはこんなケースがあったといいます。
「ある常連のお客さんが、店員の女の子に本気でハマってしまったんです」
その男性客は週に何度も来店し、売上にも貢献していたといいます。店内では大きなトラブルもなく、“普通の常連”として扱われていました。しかし、ある日その客が女性スタッフに告白。女性側が断ったことで空気が変わったそうです。
「最初は普通だったんですが、その後からLINEがかなりしつこくなった。“なんでダメなの?”とか、“店ではあんなに仲良かったのに”みたいな内容ですね」
女性スタッフが返信を控えるようになると、今度は閉店後に店の前で待つようになったといいます。
「営業終わりを狙って外に立ってるんですよ。最初は偶然かと思ったんですが、何回も続いて」
店側も最初は注意だけで済ませていたものの、徐々に女性スタッフが強い恐怖を感じるようになったといいます。
「女の子が“帰るの怖い”って言い始めて、さすがにこれはダメだなと」
最終的に、その客は出禁となりました。男性は、「お金を使うかどうかより、“店の外まで関係を持ち込む人”は危険視されやすい」と話します。
「店の中だけで終わるならいいんです。でも、営業時間外まで感情を持ち込む人はトラブルになりやすい」
特に最近は、SNSやLINEによって客とスタッフの距離が近くなり、“店だけの関係”が曖昧になりやすいともいいます。
「昔より、“客と店員”の線引きが難しくなってる感じはありますね」
そのため現在は、売上よりもスタッフの安全を優先し、“違和感がある段階で切る”店も増えているそうです。
「昔なら、“金使うから残そう”って店もあったと思います。でも今は、女の子が嫌がってるなら早めに切る店のほうが多いですね」
夜の街では今、“お客様”よりも、“店側が安心して営業できるか”が重視され始めていました。
ストーカー対策も、ガルエージェンシーまで。

櫻麗
猫と紅茶があればご機嫌です
