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小6同級生殺害事件

長崎少年鑑別所で弁護士の記者会見

母親の方はほとんど言葉を口にすることは無かった。
父親が中の生活はどうなのかご飯は食べているのか?と問いかけても緊張からかなかなか言葉が返ってこない。
父親が娘に「朝晩、手を合わせて拝むんだよ」と言うと「うん」とうなずく。
30分の間に事件の事とかは話題に出なかった。
言葉を交わさない時間もたくさんあった。

父親の娘への第一声は「元気してるか?」
それに対して娘はうなずく。


うつむいている父親(手前は弁護士) 一番奥に母親(頭を下げている)


両親と娘が最初に顔を会わせた時、娘は(両親の)顔を直視できずに目をそむけてしまう。
少女は自分から言葉を発することは無かった。
両親を見ても表情はゆるむことは無かった。
親の話を黙って聞いている。
一度も笑顔は見せなかった。
両親から娘への差し入れは普段読んでいる好きな本を(小説)念のため差し入れた。
ただ鑑別所内にも本はたくさん有るということで差し入れはしなかった。
少女は(謝る言葉を含めて)ほとんど言葉を発しなかった。
父親がもっぱらしゃべり続け、娘がずっと聞いているという30分だった。

(面会をした部屋には)両親と少女と弁護士の他は、面接官も含めてあと二人いた。
母親はハンカチで目を押さえて下を向いているだけだった。
少女と両親が手を握り合う場面は全く無かった。
(面会の様子は)三人ともイスに座り、両親は並んで1メートルほど間隔を空けて少女と向かい合った。
少女から見て、右が父親、左が母親。
弁護士は三人の横で話を聞いた。


会見中の弁護士


少女の服装はごく普通の普段着。
少女と両親の間には机などは無かった。
事件後、母親との面会は今日が初めてで、父親とは事件当日とその翌日、そして今日で3回目になる。
両親は機会があれば早い時期での面会を望んでいた。
面会後、両親は少女について「健康状態は良さそうだ」と話した。
両親から被害者側への謝罪の有無については、今は述べることは出来ない。
今後も少女とその両親の面会は定期的に行われる予定。

両親は、少女の異変に気付けなかったことを悔やんでいる。
父親は非常に少女に対して積極的に接しようとする気持ちを持っている。
父親は少女の考え方や行動などをよく説明できる。
(少女は)普段は非常に明るくて、文章やイラストを書くのが好きだった。
父親が母親に「お前も何か言え」と言ったが、母親は言葉が出せなかった。

面会が終わると、両親が部屋を出て、少女が部屋に残った。


 

事件の舞台


長崎県佐世保市――市内を見渡せる高台に、事件の現場となった小学校がある。
校舎は新緑に囲まれ、空気も清々しく、子供たちは広い校庭で元気に駆け回っている。
だがその日常の光景は、事件後で明らかに変わってしまった。


事件現場

生徒の登校時間。親たちは子供の手を引いている。
車で、校庭内に入り、子供を降ろす親も多い。
何かから守ろうとするように。
その様子を、報道陣が撮影している。
学校の正門や他の門にも、何故か鍵はかかっていない。

始業のベルが鳴り、音楽室から「世界にひとつだけの花」を合唱する歌声が聞こえる。
「先生、おはようございます」と、元気な声が響く。
全ての教室のカーテンはぴっちりと閉められている。


教室

休み時間になり、低学年の教室の子供たちがカーテンの隙間から顔を出す。
張り込んでいる報道陣達を指差し、「いるよ、いる」とはしゃぐ。
低学年の子供達は、事件のことはよく理解できていないのか、とても無邪気だ。

近所の人に事件について尋ねるが、皆一様に表情がこわばり口を閉ざす。
被害者も加害者も同じ小学生という、事件の特異性に、怒りのもっていきようがないようだ。
子供達の世界で一体何が起きているのか、大人たちの表情には、困惑と畏れの色が見られる。

被害者の自宅は、父親の勤務先の上階にあった。


被害者の自宅


加害者の自宅は、山間の奥まった場所に、ひっそりと佇んでいた。


加害者の自宅                加害者宅のポスト

 


加害者のホームページを読んだ。小6とはいえ、既に大人びた少女の姿がそこにあった。
現代の大人たちが子供だったころ、インターネットは存在していなかった。
インターネットと共に育つ子供達は大人になる道程が昔とは比べものにならないほど、速く、脆い。


加害者が通学していたバス停

 

取材  ガルエージェンシー福岡中央  野田圭子

*長崎小6の事件で、片っ端から聞き込みをしましたが、それまでにこやかに話していた人でも、事件の話になるとみるみる内に顔がこわばって、「何も知らん」と目をそらして口をつぐんでしまいます。
この事件が地元の人に与えたショックはかなり大きくて深いものだと実感しました。

 


ー BOSS ー

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