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新 事故は、ある日突然に 2

書いた人は山木です

本記事は、被害者の承諾を得て、本当に起きた事について記述しています。これは、事実起きた(今も起こっている話)として、お読みください。

 「新 事故は、ある日突然に」



先日出した記事の続きです。後編になりますので、まだの人は、前編からお読みください。

前編の最後にも書きましたが、Aさんのセルシオは、何と、本人の知らぬ間に売却されている事が解りました。

僕がAさんから最初聞いた時、何かの間違いじゃないのかと思った程に考えられない事ですが、“本当に”AさんのセルシオはAさんの知らない内に売却されていました。

もちろん、Aさんは「どういう事だ!こんなの窃盗じゃないか!まず、車を売却された所から引き上げさせてください!」と、売却をした株式会社タウの担当者に伝えました。

ところが、株式会社タウの担当曰く、「車体自体は神戸ですし、すでに部品にバラして売ってしまいましたので、現車の引き上げは無理です。」との返答が。朝日火災に問い合わせても、お茶を濁した返答しか返ってこなかった為、怒り心頭になったAさんは、株式会社タウに以下の通知を行いました。



ご通知

前略。

平成15年12月7日に発生した交通事故の被害者としてご通知致します。

私自身の調査によりますと、上記交通事故により、損壊した私の所有にかかる車両(セルシオ)は、加害者加入の朝日火災海上保険株式会社の指示により、御社へ搬入された後、アイネックスという会社へ売却されているとの事実が判明しました。

もちろんのことですが、私は、貴社に私の車両の売却を依頼した事実はありません。

そこで、以下の事項についてご回答下さい。

1 売却日、売却代金、売却の際に実際に売却の現場に立ち会った者の氏名

2 貴社が私の所有する車両を売却したのはいかなる権限に基づいていたのか。

3 車両の売却に関して、朝日火災海上保険株式会社からの指示があったのか否か。

私は、貴社の行為は、窃盗罪(刑法235条)に該当するのではないかと考えております。

そこで、上記照会事項について、本書面受領後、速やかに、貴社より私が納得できる回答がない場合、私としては、管轄警察署に対して窃盗罪での被害届をだす所存ですので、その旨予めご承知置き下さい。


 


実際、この通知を出す前、現場に行ったあいおい損保の担当者は、朝日火災からの指示ですでに売却したとの話を受けていたそうですが、書面を出した後、株式会社タウから以下の回答が来るに至ります。

 


 


ご回答

先日、お送りいただきましたご通知書には窃盗罪に該当するとのお申し出ではありますが、朝日火災海上保険株式会社・高梨氏のご指示により販売行為をなしました。12月25日前後に販売行為停止を関係各位に指示しましたが時既に遅く、販売予定先(アイネックスさん)へ向かう船便の中でしたので兵庫県への到着を待って、あいおい損害保険株式会社さんに立会いをお願いしました。

上記が本件の全てであることを誓約いたします。


 


つまり、完全に朝日火災、しかも担当であった高梨氏の指示により売却したとのことです。最初の時点で、Aさんの希望に添うような形でまとめると言いつつも、その裏ではこのような不適切な行為をしていた事が立証されました。ちなみに上記の行為、Aさんの担当弁護士の見解では、確実な窃盗行為であるとのこと。

そこで、Aさんは「朝日火災海上保険株式会社 本店サービスセンター」「課長代理 高梨 正博」氏に、以下の書面を送付します。

 



警告書

前略。

平成15年12月7日に発生した交通事故の被害者として貴殿に警告します。

これまでの私の調査によれば、上記交通事故により株式会社タウへ搬入された私の所有にかかる車両(セルシオ)は、示談未了であるにも関わらず、既に、アイネックスという会社へ売却されているとの事実が判明致しました。

事実関係について、株式会社タウに対して照会を行ったところ、上記売却は、貴殿の指示により行われた旨文書により回答がありました。貴殿の行為は、窃盗罪(刑法235条)に該当するのではないかと思料されます。

私は、被害者として、貴殿に対して、ことの顛末について詳細な釈明を要求致します。

本書面到達後速やかに、貴殿からの釈明がない場合は、管轄警察署に対して、貴殿を被疑者として窃盗罪で告訴しますので、その旨予め警告致します。

 



送付後、朝日火災の弁護士より連絡がAさんの元に来ました。内容は、「とにかく一度、会いたい」とのこと。

Aさんが行ってみたところ、「お金、いくら欲しいんですか?」「朝日火災からは、やっていない(売っていない)と聞いている」と言われたとか。

Aさんからしてみれば、こんな話だったら電話で済みますし、やっていないと言われても、実際にAさんのセルシオは売られていて、売却した会社も誓約書を書いています。その変について聞いても、お茶を濁されるだけで、「車のお金と、ゴルフクラブのお金、セットで270万円でどうですか?」という交渉に入ろうとしたとか。それでも、あいおい損保の金額よりも低かった為、Aさんは納得がいかなかったそうですが、こうやって違法行為をやられて、最後は弁護士当て付けられて・・・というのを、また繰り返されるのが嫌だった為、しぶしぶサインをするに至りました。

 

そう、この話は車両に関してのみなのです。人身についてはこれから。

 

車両に関してだけでも、ここまで至るのに半年掛かっているのに、人身となると、果たしてどうなってしまうの?と、Aさんは不安で夜も眠れなくなってしまったそう。

ここで、Aさんからのメッセージを記します。

 

A 「とにかく、とにかく信じられません。売却の事に関して今までに、一度も謝罪が無かった。実際、私の車が売却されていたのは明らかなんだから、その時点で謝罪の一つでもあるのが筋でしょう。高梨氏が、どうせすぐ片付くだろうって見切り発車したのか、それともパーツを売って小遣い稼ぎしようとしたのか・・・それは解りませんが、こういう風になった以上は、ちゃんと謝って欲しかった。正直、これから人身についての話が始まると思うと、胃が痛いです。私もそうですが、女房も疲れてきています。朝日火災から私の通っている病院に、何か言われるような事あると思ったら・・・。だって、人の車を勝手に売って開き直るような会社ですから、とても信用できません。担当者はこんな事しているのに、何の咎めも無しに、本社でまだ働いているんですよ?しかも、課長代理なんて役職が付いている人が。正直、本社が推奨しているのではないか思ってしまいます。私と同じように泣いている人も、沢山いるはずです。」

 

ここまで御紹介して、みなさんは何を感じられたでしょうか?

今回はAさんが泣き寝入りするのは嫌だから、文書には文書でやり返したり、ちゃんと自分の主張を伝えたから、こんな形になりましたが、これが何の法律知識もない、ただの大学生だったりしたら、やりこまれてしまったのではないでしょうか?

Aさんの場合は、人身で更に揉めるのは嫌だから・・・という理由にて朝日火災からの申し出にサインをしていますが、結果的に見ると、とても損をした事になります。しかし、それでも「いろんな事を考えたら、サインするのがベター」と考えざるを得ない・・・保険とは、そういうモノなのでしょうか?

この事件は、絵空事ではありません。いつ、これを読んでいる皆さんに起きてもおかしくないのです。

そうなってしまった時、自分の保険会社はお金を払いたくないから完全な味方ではありませんし、相手の保険会社は値段を下げることしか考えていません。

そうした、「もしも」の時に備えて、自分で知識のストックを溜めておくしか方法がないのでしょうか?

 

皆さん、一人一人が考えて頂けたら、幸いです。

 

探偵ファイル

 

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