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首吊り自殺か他殺か?

おひさしぶりです。探偵稼業に復帰して全国を飛び回っているBOSSです。
さて、みなさまからの指令の中で、「自殺した友達がいますが他殺かも知れないので調べてください。」という深刻なメールを散見します。

殺しのプロ数人にかかれば、外傷を負わせることなくビルから飛び降りをさせたり、首をくくらせたりするのは不可能なことではありません。一度警察が自殺と断定してしまえば、そこには捜査本部が置かれないわけですから殺人事件として捜査されることもありません。私も過去に自殺案件を殺人事件にひっくり返したことはありますが、それは調査の報酬があって、人を動かせて初めてできたことです。

先日の福岡「ケープホテル」の自殺事件も、たまたま自分達が廃墟の取材中に遭遇した案件なのであって、その先は少し後味の悪い言い方ですが、ご遺族の依頼が無い限り真実の追究は甚だ難しいわけです。


自殺現場にて


現場を見ているうちに数々の疑問が脳裏をよぎりましたので、少し調べてみることにしました。



9月4日、福岡・串崎ケープホテル。橋戸氏(30才)はこの廃墟で首を吊った。


調査結果(抜粋)

・ 司法解剖の結果、自殺と断定された。
・ 体には傷は無く、争った形跡もない。
・ 発見当時、身元がわかるものを持っていなかった。
・ 彼の自宅は愛知県丹羽郡扶桑町***402
・ マンションに一人暮らしだった。
・ 遺書も無かった。
・ 遺留品の中にサイフが無い。
・ 携帯も遺留品の中に無い。
・ 福岡には縁もゆかりもない。



遺品(ハサミ、金縁メガネ、デジタル腕時計、ライター、ソーイングセット、爪切り)


・ どうやって愛知からこの現場まで来たのか、足取りがわからない。
・ 対象者は一年前に新車を購入している。
・ 自宅には車は無く、いまだに見つかっていない。
・ 自宅の部屋はちょっと出て行ったという感じ。
・ 仕事は随分前に辞めていた。
・ 遺族は口を揃え「自殺する原因は思い当たらない」



火葬の瞬間

ご遺族と接触した探偵は橋戸氏(30才)の遺留品が入ったビニール袋を確認。その中には血で朱色に変色した衣類や、スポーツシューズ、紺色のリュックサックなどが入っていた。

ご遺族の方より、「形見ですからどうぞ・・」と、腕時計を頂戴した。

 


写真

死の瞬間まで彼がはめていた時計。
無機質な固形物に真実を語る口はない。

どうして福岡の片田舎で彼は自殺したのだろうか。

それとも・・・。

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