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三宅島、報道されない一つの問題

今月1日、午後3時をもって避難指示が解除された三宅島。
避難を開始してから4年半という歳月は、それまで住んでいた人々の生活・人生を大きく狂わせた。
これからの復興には多大な時間、労力がかかると予測されるが、同時にメディアでは報じきれないほど多くの問題が潜んでいることも事実。
今回はその三宅島に関して、東京都職員を通じて寄せられた三宅高校の問題についてスポットを当てたい。


<※以下、情報提供者文>

農業科があることでも知られる三宅高校。三宅島で以前のように農業を再開するには、堆積した降灰や土砂を除去した上で土壌の改良から始めなければならないので、それに費やす時間や労働は並大抵のものではありません。

そこで東京都は、定年を迎える農業高校教職員に、再雇用として三宅高校での勤務を依頼しました。壊滅的な状況から再出発するには、経験や知識が豊富なベテランの教員が不可欠だからです。ところが、彼らもメディアを通じ三宅島の惨状を目にしていたため、島への赴任を希望する人はなかなか見つからなかったようです。


      ▲現在の三宅島の様子

一方、都の対応にも問題が。
これまで三宅高校に勤務していた職員は、三宅島で授業を再開するため4月には他の島民と共に島へ戻る予定になっています。ただし先述のように、まずは土壌改良を行わなければ農業を再開することは不可能です。農業科の職員は、この時期に先に島へ戻って状況を確認し、新学期に備えて降灰や土砂の除去、土の入れ替えなどをやらなければなりません。

ところがこの時期に島へ戻ることは、「赴任期間外である」という理由で、東京都は三宅島への渡航費を教職員に対して全く払おうとしないのです。これは、おかしな話ですね。教職員の方々はボランティアで農業をやっているわけでもありませんし、必ずしも好んでこの時期に島へ戻ろうとしているわけでもないことは言うまでもありません。

赴任期間である4月になるのを待って教職員も島に戻るなら、準備不足でまともな授業はできないでしょう。

<※ここまで>


復興後の島の将来にとって、人材の育成は大きな問題。
現状を確認するため、我々は現在も火山ガスの放出が続く三宅島に渡った。

つづく。

 

カグウェル

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