私は女性が座ってすぐ、自殺した〇美さんがどうやって天野仁勝と知り合ったのか、詳しく話した。女性の顔色がみるみる変わった。
・・・私と・・・同じ・・・です
詐欺師は同じ狩場が多い。リズムを大事にして成功率を上げるためだ。
すると彼女は
私と彼が2人で初めてレストランで会った時、食事をしている時に向こうにいた集団に挨拶をしに行きました。なので「知り合い?」って聞いたら「同じ電通の人」って言いました。
まるでドラマの1シーン。
凄い。これをいきなりやられたら信じるしかないだろう。
それで電通というのも信じていたし、体の具合が悪いとも聞いていて「もう自分はリンパ系のガンであと3年くらいしか生きられないから電通を辞めて実家に帰ることになった。」とも言っていました。
知り合ってお金を貸した直後に「実家にお金をもらいに行くからそれでもう返してチャラになるからね」って言ってたのに「帰ったら父親が心筋梗塞で倒れたから危ない。だから東京戻れない。」
次の日に「返すのが遅くなる」「亡くなったから東京へ帰れない」と言われました。
彼女は信じていた天野の言葉に何の裏付けも無いことに気付いたようで、そこからは私に対し質問攻めになった。電通じゃないこと、大学が違うこと、父親は元気なこと。これらを私が独自に調べた証拠を見せながらじっくりと説明した。探偵に推理は必要が無い。事実を淡々と積み上げていくだけだ。
無職だと知っていたらお金は貸さなかったですし、しかもやっぱりそれらしいカッコしてるんです。探偵ファイルの写真だと田舎者のボサボサの感じだけど、私と会うときはちゃんと電通っぽいスーツを着てカウスボタンをしてキチンとした髪型をして整えてた。私は疑ぐり深いので名刺を何度もくれっと言ったけど、くれなかったので電通を検索したり友達に聞いたり調べたりしたけどもやっぱり名前が出てこなかった・・・おかしいなと思い、それからお金を渡さなくなった・・・。
それだけの目に遭っているのなら被害届を出して欲しいと促したが「それでも愛してますから・・・」 当然だ。すぐに嫌いになれるわけがない。
私は彼女を東急デパート前まで見送った。最後は冗談を言い合うほど打ち解けあえた。
その日の夜だった。
彼女が衝撃の告白をしてくれた。
ーつづくー
※ 天野仁勝(アマノトシカツ)に関して情報提供がある方はこちらへお願いします。必ず秘密は守ります。
渡邉文男
仕事(詐欺)の時はスーツを着用し、小奇麗にしています。自称33~35歳 (実際は43才)
山梨県南都留郡山中湖村平野221