東京・歌舞伎町の精神科クリニックを経営する医師が、女性患者への性的暴行の疑いで警視庁に逮捕されました。診察後、女性をいったん外に出したうえで「まだ診察がある」と呼び戻し、施錠した院内で犯行に及んだとされています。

ですが、この事件の本質は単なる“医師の暴走”ではありません。
この男は今回で7回目の逮捕という異常な経歴を持ちながら、歌舞伎町で診療を続けていました。ここに、この街特有の歪みが透けて見えます。
歌舞伎町は、日本でも屈指の“精神的に不安定な人間が集まりやすい場所”といえます。夜職、ホスト、客、トラブルを抱えた人間、居場所を失った若者――眠れない、情緒が不安定、薬に頼りたい。そうした状態の人間が日常的に流れ込んでくるのです。
つまり精神科には“需要”がある。だが同時に、それは弱っている人間が集まる場所でもあります。
歌舞伎町で働く女性は、こう言い切ります。
「歌舞伎町は精神を病んでいる人がたくさんいる。その街で開業してるって、正直確信犯だよね」
さらに別の女性はこう続けます。
「歌舞伎町の人はあの精神科には行かないよ。だってヤバいのはみんな知ってるでしょ」
つまり、この医師の“危険性”は、少なくとも一部の界隈では共有されていたのです。それでも営業が続き、被害が繰り返されてきた可能性があります。
判断力が落ちた状態の患者
逃げ場を持たない夜職の女性
誰にも相談できない孤立した人間
こうした人々が集まる場所で、もし悪意を持つ医師が存在した場合――何が起きるかは想像に難くないことでしょう。
問題は、この構図が長期間放置されていたことです。7回も逮捕されながら、なお診療を続けられた現実は、制度の問題であると同時に、「歌舞伎町だから見過ごされてきた」という側面も否定できません。この街では、多少の“異常”は埋もれるという現状があります。噂は流れても、強制的に止める力は働きにくい。結果として、危険な存在が“知る人ぞ知る”状態のまま存続してしまうのです。
今回の事件は、その最悪の形が表に出ただけに過ぎないのかもしれません。
歌舞伎町の夜を知る者の間では、すでにこんな声が上がっています。
「これ、氷山の一角でしょ」
この“病んだ街”に巣食う構造そのものに、メスが入る気配は、いまのところ見えていません。

櫻麗
猫と紅茶があればご機嫌です
