前回の続き。
私なんかに、こんな美女(?)からメッセージがくるわけがない、引っかかったふりでもするか。と思いつつやりとりは続いた。
美女:「今から重要な新規事業のミーティングです。いつもスタッフは会社の為に頑張ります。」

私:「新規事業がうまくいくとよいですね!どんなことをするのか気になりますが、お互いに頑張りましょう!」
美女:「今からドライブに出かけます。早くあなたと一緒にドライブに走り出したいです(♥)」
※その後も似たようなやり取りは10ラリーほど続くため割愛する。しかし初期のこのやり取りだけでもお気づきだろうか?
【既に好意を感じている自分がいるッッ!!?】
しかし努めて冷静を保ち、
なぜ、高級車に乗っていられるのか。
なぜ、大金を両親から出してもらえるのか。
なぜ、会社は儲かっているのか。
メッセージのやり取りの中で、それとなく質問してはみるものの、美女は私からの質問には殆ど回答してこない。相変わらず自慢話のような「今日の出来事」を話してくることばかりであった。
そんなやり取りが2週間ほど続いたところで美女はいよいよ動いてきた。
美女:「あなたはこれまでの疑いに答えをあたえる。私は裏情報を手にできる叔父さんから情報をもらって投資をして儲けを出しています。これが証拠です。あなたが興味あるなら、叔父さんの情報を教えるから一緒にお金持ちになっていきましょう!あなた次第です。私はあなたにお金持ちになってほしいです。お金があれば好きなことができます。私はあなたと一緒になれますから言う通りにして。」
いつになく饒舌に美女はまくしたて、高額の儲けが(それらしく)表示された株取引の証拠はスクリーンショットにて送信してきた。

全く見たことも理解もできない画像を見た私は猛烈に疑った。裏情報を手にして株取引?それってインサイダーじゃないのか。そんなことがあるわけない。ありえるはずがない。いやもしかしたら魑魅魍魎が跋扈する混沌の世界では在りうると考えないほうがおかしいのかもしれない_。
気づくと私は新興の証券会社のネット会員に新規登録していた。
海外の株式を自由に売買できるコースでの会員登録だ。美女が教えてくれるまま素直に事を進めている自分がいた。
私:「口座開設できました」
美女:「叔父さんから聞いた情報に基づいてあなたに伝達します。この企業(中国名)の株式5万円分を購入してください。買ったらその取引画像を私に送ってください」
私:「わかりました。 買いましたので証拠画像送ります☆」
美女:「OK。私の送った画像を見てください。あなたの買った株が値上がりしています。叔父さんは信用できます♪」
私:「さすが叔父さんです。今後も期待しています(^^)」
美女:「また、叔父さんから重要な情報が入りました。こんどはこの企業にあなたが出せるだけのお金を入れて株を買ってください。すごく儲かります。買ったら証拠画像を送ってください。」
私:「検討してみます。かき集めれば数百万円ありますので、有り金全てを入れてみたいと思います。楽しみです(^^)」
数日経過_。
美女:「株を買いましたか?画像が届きません。」
美女:「返事ください。私はあなたを心配しています。お金持ちになってほしいです。」
美女:「あなたから返事が欲しい。会いたいよ。急に居なくなった。心配ですください。」
引っかかる人の心理はどうなっているのか。そんなものに多額の財産を失うまで引っかかるものなのだろうか。ロマンス詐欺なるものを体験してみたい!という、暗い欲求からスタートした今回の実録。体験してみて根本原因がわかった。
それは「恋こころ」ではなく「邪な性欲」でもなく「孤独の寂寥感」等でもない。それは要因でしかない。
前述したこれらの「気持ちや感覚」は、詐欺師の付け入る隙となり、そこに魔の手は入り込む余地をみる。それだけでは、気持ちを弄ばれるだけで終わる。間違っても、言われたとおりに振り込んだり、株式を購入したりということをしない。
根本は【自暴自棄】だ。
少なくとも今回、私は詐欺を体感して確実にそう認識した。
なぜ、その時の私は自暴自棄になっていたのか。どのようにそれに気づいたのか。寸でのところで自暴自棄を認識し、今回は数百万円の詐欺を回避できたのか。それはまた機会があればお伝えしようと思う。
今も私の開設した証券口座には中国企業の株式が塩漬けされている。買った時の半値以下のままで。倒産されたら無に帰すだろう。仕方がない。数万円の詐欺体験料だ。あー、勉強になった。
現在、証券口座情報ページは、再び、自分自身が自暴自棄に深く陥らないためのお守りと化している。

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