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愛媛県西条市、全ての公共施設で拾得物の不正管理が発覚!証拠資料を入手

愛媛県西条市のプールにて、利用客の忘れ物や落とし物を職員らが長年にわたって横領していたことを、昨年に「探偵Watch」の記事で扱った。

情報提供者(以下、「A氏」と記載)は、西条運動公園総合プールの元職員で、監視員の統括責任者を務めていた人物だ。遺失者が現れない場合、職員らが現金や貴金属を横領していたという。拾得現金は、毎年4万円ほどあった。だが、監視員が横領したり、宴会の飲食代やビンゴゲームの景品代に使ったりして、その残額のみを警察に届けていた。

 

 

A氏が遺失物管理台帳の閲覧を市役所に請求した結果、平成元年にプールを開設して以降、遺失物管理台帳を作成していなかったことが発覚。平成27年にA氏が西条警察署と愛媛県公安委員会に本件を告発したことで、市役所に改善を求める指導がなされた。市役所側も、指摘された点を事実として認めた。ここまでの経緯と論点を、昨年の記事で扱った。

その後A氏は、プール以外の公共施設でも同様の問題が常態化している可能性があるのではないかと考え、実態を調べた。すると、市役所本庁舎、3つの支所庁舎、さらに市内の各種公共施設の全てにおいて、不正な管理の実態が発覚した(支所に関する詳細は、本記事末尾の注を参照)。発覚に至る経緯は、次の通りである。

西条市情報公開条例に基づき、過去の「拾得物件預り書」と「拾得物件提出書」の閲覧を、A氏は市役所に請求した。だが、警察の指導が行われた平成27年12月以前の文書は「不存在」であるというのが、市役所側からの回答だった。つまり、警察に指導されるまでは、拾得物に関して、書面の作成や警察への提出がなされていなかったのだ。

 

 

 

 

遺失物法には、「拾得者は、速やかに、拾得をした物件を遺失者に返還し、又は警察署長に提出しなければならない」とある。だが、「庁舎や各施設でどれだけの拾得物があり、どのように処理されていたか、分からないのです。遺失者が現れなければ、拾得物は勝手に処分されるか、あるいは職員がネコババしていたということになるでしょう」とA氏は言う。

プールの件で警察の指導を受けて以降、市役所は拾得物に関する記録を残し、警察にも提出するようになった。一例として、平成27年12月28日だけで、105件もの拾得物件を一括して警察に提出している。ただし、拾得物件提出書の各項目を見ると、「不明」との記載が目立つ。これは、あまりにも杜撰な管理体制ではないかと、A氏は疑問視する。

 

 

これまで西条市側は、一連の事態を公表していない。プールの件も含めて、速やかな公表と事実関係の説明、市民への謝罪、該当する職員に対する懲戒処分等を行うべきだと、A氏は主張する。「許しがたい不正でありますので、これから住民監査請求や住民訴訟によって、市の責任を問うつもりです」という。

 

(注)3つの支所、すなわち東予総合支所、丹原総合支所、小松総合支所のある地域は、かつては東予市だった。平成16年に、西条市に吸収合併された。こうした経緯から、このたびの閲覧請求は、各支所については平成16年以降を対象になされた。その結果、東予は平成27年度まで、小松は平成28年度まで、丹原は平成27年度まで、遺失物に関する書面を作成していなかったことが判明した。

 

※モザイク加工は当サイトによるもの

 

高橋 

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