橋本環奈といえば、中学3年生の頃に撮られた写真が「1000年に1人の美少女」として注目され、一躍スターダムに上り詰めたシンデレラガール。ここ数年は、映画・ドラマだけでなくバラエティでもかけがえのない存在であっただけに「パワハラ疑惑」が信じられません。
疑惑というのは、ドリンクや日傘を差し出すタイミングが違うという理由で厳しく叱責したため、8人ものもマネージャーがやめてしまったという内容のようです。
ディスカバリーネクスト公式HPより
ここで強調したいのは、女性芸能人は男性芸能人とは異なる理由で「干される」ということです。最近は、恫喝、不倫騒動、父親の医療費不正受給問題で、木下優樹菜、ベッキー、ローラがそれぞれ芸能界を「干され」ました。男性芸能人が「干される」理由としては圧倒的に麻薬、性犯罪、未成年者との飲酒、人身事故といった「違法行為」が多い反面、女性芸能人が芸能界を「干される」理由には対人関係のトラブルが多く、つまり女性は対人関係の「秩序を乱した」という理由で「干されている」印象です。それだけ女性芸能人は男性よりも厳しい見方をされているのでしょう。
芸能界は限られた出演枠を取り合う厳しい競争社会であり、スポンサー・広告代理店、大手芸能事務所の影響力が強いところです。橋本環奈が所属している芸能事務所がとても小さい事務所であることを踏まえると、ライバル事務所が競争で優位に立つため、橋本環奈を「蹴落とす」という行為には即効性があるし効果的なのかもしれません。「蹴落とす」ことを目的として些細なトラブルやその人のクセなどを大げさにリークしてイメージダウンを図るというのは、それが清く美しい女優であればあるほど効果が絶大になるでしょう。
例えば、長年、高い視聴率を誇ってきた「世界の果てまでイッテQ」はとりわけ出演者枠をめぐる競争が激しく、出演するタレントの不祥事が次々と告発されました。洗脳問題が告発された元オセロの中島知子、不倫騒動のベッキーはその典型です。ここでも手越祐也は未成年者との飲酒で「干された」ため違法行為にあたりますが、中島知子もベッキーも違法行為というよりは対人関係のトラブルが原因で「干され」ました。現在では彼女らの空席を「出川ガールズ」が埋めています。
橋本環奈がライバルタレントの勢力によって蹴落とされ「干され」る可能性は十分にあると思われます。業界の力学や、利害関係が絡む恐ろしい社会である芸能界ですが、もし万が一、橋本環奈が「干された」ことでトクをする勢力があるとすれば、橋本環奈の「枠」におさまるのはずーっとライバル関係であったあの人かな。
女探偵 堺浄(さかい・きよら)
政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。