アウトロー系インフルエンサー「Z李」(@ShinjukuSokai)のメンバーが住居侵入の疑いで警視庁暴力団対策課(通称「マル暴」)に逮捕されました。しかしその裏には、単なる住居侵入以上の「なにか」が隠されていると思われます。「Z李」は、「X」(旧「Twitter」)で薬物、人身売買、裏社会の闇にかんする話題を定期的に発信し、新宿歌舞伎町を中心としたホストクラブ業界に通じた情報も投稿してきました。多くの投稿には表沙汰にはならない裏社会の情報や犯罪行為にかんする情報が含まれており、警察や一部の閲覧者は「彼らは裏社会と深く結びついている」と考えマークしていました。
今回「Z李」が逮捕された理由は、盗まれたバイクを取り戻そうと、SNSで情報提供者に300万円の報酬を提示し、バイク窃盗犯と思しき人物宅に押し入った「住居侵入容疑」とされています。自宅周辺には、「やから味」の強い男たちが多数集結し、その様子が動画に収められ拡散されました。しかし、たんに1台の盗まれたバイクのためにこのような動画を発信する意味は不明です。何かを「見せしめる」ため「やから味」男たちを集結させたのではないでしょうか。
というのも今回の逮捕には、犯罪集団「トクリュウ」との関係が背後にあると考えられているからです(つまり「Z李」は「トクリュウ」の一部であるという考え方)。「トクリュウ」も「Z李」も、「X」などのSNSを通じて犯罪に必要な情報を収集しているという共通点があります。そのため「Z李」には、犯罪ネットワークとのつながりがあり、犯罪行為を助長するような情報収集の役割を担っていたと推理することが可能です。裏社会では情報が大きな価値を持つため、「Z李」は情報提供によって大きな利益を得ていた可能性があるのです。
だとすれば、バイク盗難事件の犯人と思しき人物のもとに「やから味」男たちが集結したのは、「Z李」が情報収集力の強さを見せつけるため、または、関係者に対する「脅し」の意味を含む「見せしめ」行為であることに整合的です。
マル暴は、「Z李」とトクリュウの関係性を深く追及する構えを見せており、この逮捕が今後どのような新事実に繋がるか注目です。「Z李」の背後にはさらに大きな力が潜んでいるのかもしれず、この事件は日本の裏社会を揺るがす序章に過ぎないのかもしれません。いずれにせよ、「トクリュウは」は貧困である若者や社会的弱者を犯罪に駆り立てることで私服を肥やす極悪な集団ですから、万が一にも「Z李」がそれに関わっているのだとすれば徹底した追及をしてほしいですし、またインターネット上の監視も強化してもらいたいものです。
女探偵 堺浄(さかい・きよら)
政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。