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中国人による靖国神社落書き事件 ――日本の名誉と尊厳を侮蔑する行為

今年の8月、靖国神社入り口の「社号標」(=神社名が書かれた石柱と台座)に落書きされたことが問題となりました。「社号標」には、中国語(簡体語)で「厠所」(=御手洗)、「軍国主義」(=軍国主義)、「狗屎」(=犬の糞)、「去死」(=死ね)などと落書きされ、いずれも極めて侮蔑的な言葉であり、日本(人)を貶める目的で行われた行為であることは明らかです。

警視庁は先日、器物損壊と礼拝所不敬容疑で中国人(14歳)の逮捕状を取ったそうです。しかし少年らはすでに中国にいるため、5月に起こった同様の落書き事件を含めて2人の中国人を指名手配しました。

靖国神社は、吉田松陰、坂本龍馬、中岡慎太郎、橋本左内、武市半平太ら、日本のために命を捧げた人たちを悼む神聖な場です。それに侮蔑的な落書きをする行為は、日本の名誉や尊厳を傷つける行為ですから、毅然とした態度で対処すべきです。戦没した私の先祖もここに祀られており、私にとり、一連の落書き行為は単なる物理的な損壊というよりは侮辱です。絶対に繰り返されてはならないことです。

 

 

中国や韓国からすれば、靖国神社には東京裁判でA級戦犯とされた人物が合祀されている「侵略された象徴」として映し出されるのでしょう。とりわけ中国は、「侵略された象徴」としての靖国神社(=日本からすれば英霊が眠る神聖な場所)を冒涜することこそがアイデンティティであり、愛国教育やプロパガンダの対象となっています。中国は、太平洋戦争の敗戦国である日本への抵抗と挑発を戦後もずっと繰り返した結果、靖国神社への落書きなど、日本の名誉を毀損する行為であっても「侵略に対する復讐」として正当化される現状を生み出してしまいました。

日本はこのような「違法行為」(=落書行為)を未然に防止するために何ができるでしょう。私は、歴史的な問題に対して妥協・和解することだけで日中間の感情的な問題を解決することはできないと考えています。そうではなく、現前する「違法行為」(=落書行為)を毅然とした態度で罰することが、靖国神社に対する日本の立場に理解を深めていただくための最善の選択だと思っています。並行して中国側に未来志向の教育へと転換するよう要請することも重要です。ですがこれは極めて高度な政治案件ですので、おそらく安倍元総理が亡き今、それができる政治家が現れるまでしばらくの時間がかかりそうです。

 

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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