情報提供・ご意見ご感想などはこちらまで! 記事のご感想は一通一通ありがたく読ませて頂いております。

上級国民 飯塚幸三 池袋暴走事件の第6回公判

2019年4月19日、東京都豊島区東池袋4丁目の東京メトロ東池袋駅付近交差点で乗用車が暴走し母子2人が死亡、通行人ら10人が重軽傷を負った事故で、旧通産省工業技術院の元院長・飯塚幸三被告が自動車運転処罰法違反罪(過失運転致死傷)に問われ刑事裁判が続いている。


2020年7月11日に除幕された慰霊碑

第6回公判までの流れはこうだ。

●初公判 2020年10月8日
飯塚被告は「アクセルペダルを踏み続けたことはない」と起訴事実を否認した。
その日は食事をするため飯塚被告の運転する車で、レストランに向かう途中であった。事故直前に車線変更を行なったところ、前方のバイクに近接したため再度車線変更をすると、今度は前方の乗用車に近接。この過程でブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違え縁石にぶつかりながらも、走行を続け事故が起こったとしている。
また被告や弁護人は「車に何らかの異常があった」と主張するが、この日取り調べた検察側請求証拠によると、事件前に行われたサービス点検や定期点検では異常は確認されておらず、異常はなかったという。

●第2回公判 2020年12月3日
事故の目撃者3人が出廷し、3人とも「プリウスは減速していない」「ブレーキランプは1度も点灯していない」と証言した。それぞれが提出されたドライブレコーダーの映像を初めのうちは見つめていたが終始うつむき項垂れているようにも見える姿勢のままだった。

●第3回公判 2020年12月14日
アクセルとブレーキを踏み間違えたという検察側の主張に対し、交差点を左折する際、右足をブレーキペダルに乗せたまま惰性走行していたと反論した。また経年劣化によって「電気系統のトラブルでブレーキが利かなかった可能性は否定できない。踏み間違えの過失は認められない」と訴えた。

●第4回公判 2020年1月19日
事故現場手前の交番やガソリンスタンドの防犯カメラ、飯塚被告が運転していた車のドライブレコーダーを解析。各々の映像から横断歩道の直前の計5地点について、当時の走行速度を割り出したと説明した。弁護側は、経年劣化による電気系統のトラブルの可能性は否定できない。踏み間違えの過失は認められないと否定。車に異常があった可能性を訴えている。

●第5回公判 2020年2月1日
被告の車を鑑定した警察官は、大破した車のブレーキペダルを踏む実験をしたところ正常に作動したと説明。車載の記録装置に残っていたデータも、電気系統トラブルの形跡はなかったと話した。ランプにも異常は見つからなかったという。アクセルが全開だったことを示すデータも残っており、考えられる事故原因は「アクセルとブレーキの踏み間違いだ」と述べた。

●第6回公判 2020年3月3日
これまで弁護側は、経年劣化による電気系統のトラブルでブレーキが利かなかった可能性は否定できないと述べてきた。トヨタ担当者は検察側の尋問で、被告車両の故障記録が読み出せたことを挙げ、故障を検知するシステムが正常だったと話す。また弁護側は意見書での、部品の経年劣化やショートによる不具合の可能性を指摘したが、トヨタ担当者は交換の必要性があれば警告やシステムが検知するこれも否定した。


次回4月27日の第7回公判では、検察、弁護人が飯塚被告に対する被告人質問が開かれる予定である。

およそ2年が経過しようとするなか今もなお事故現場には亡くなった母子を悼む花が手向けられていた。
(第6回公判の当日朝撮影)

交通裁判は時間がかかることが多く、先行きは不透明だ。被告が高齢であることから、早期に自身の口から真実を述べ、明らかにするべきではないだろうか。
それをご遺族は強く求めている。

 

ガル広報 アサミ

タイトルとURLをコピーしました