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宝島龍太郎さんとその妻殺害事件 ––真犯人は闇のヒットマンか

2024年4月16日、宝島龍太郎さん(55歳)とその妻が殺害されました。事件の手口は凶悪でありふたりは絞殺されたあと栃木県那須町の河川敷で焼死体で発見されました。交番に出頭した平山綾拳容疑者は、遺棄されていた死体(頭部)に被せられていたビニール袋、巻かれていた粘着テープ、ガソリン、ガソリン携行缶などを購入したことから事件への関与が明らかになっています。しかし平山容疑者は「車を貸しただけ」と殺人容疑は否定しているため、現時点では他にも複数の真犯人がいると考えられています。そこで被害者周辺で起こっていた多数の「揉め事」を手がかりに誰が真犯人かを推理します。

(1)周囲からの「怨恨」問題

・宝島さんは、上野で焼肉店などの飲食店を10店舗以上経営しており競合店との客獲得競争が熾烈でした。他の店舗との「ナワバリ」争いで強い怨恨を抱かれていた可能性があります。

・宝島さん自身が雇っていた従業員との間に報酬をめぐる問題が生じていたことが分かっています。報酬の支払いで揉めていたことから、恨みを買っていた可能性があります。

(2)反社とのトラブル

・台東区上野周辺は、中国人マフィアによる違法な活動が顕著な地域です。例えば、2023年には上野公園周辺で中国人が違法に営業するマッサージ店が多数摘発されましたし、今年は上野駅周辺で中国人が運営する闇カジノが摘発されました。

違法業者が上野に出店できるのは、反社による「みかじめ料」制度が根付いているからです。要は、反社に「みかじめ料」さえ支払えば違法であろうと反社であろうと営業が容認されるようなインフォーマルなルールがあるわけです。

宝島さんも中国系の帰化人であると言われており、また妻は周囲に対して強肩的であったとも報道されています。中国マフィアとの間に何らかの軋轢が生じた可能性は高いでしょう。

以上を踏まえると真犯人は、(1)怨恨であれば、競合店の関係者・従業員、宝島さんの店の元従業員などの可能性が高いでしょう。(2)反社とのトラブルであれば、暴力団関係者、ヒットマン、違法な不動産・高利貸し業者などの可能性が高いでしょう。ただし(1)の怨恨を持つものが(2)反社に殺人を依頼したというパターンも考えられます。

闇の社会では雇われた殺人者が暗躍しています。一説によると、30万円で殺人を請け負う人間がいるという情報もあります。人が生きていれば誰にだってトラブルの一つや二つはあるはずですが、トラブルが闇の社会によって対処されるか、実社会によって対処されるかは大きな違いです。事件の真相が闇の社会によって葬られることなく、明るみに出ることを祈って止みません。

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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