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トランプ前大統領暗殺未遂 —SPの迅速さに注目!

7月13日(日本時間14日)、ペンシルベニア州で行われたトランプ前大統領の選挙集会でトランプ氏の暗殺未遂事件が発生しました。犯人は20歳のトーマス・マシュー・クルークスで、彼が集会近くの屋上から発砲した銃弾がトランプ氏は右耳をかすめましたが、トランプ氏の命に別状はありませんでした。

暗殺未遂は、共和党の世論調査専門家であるフランク・ランツによると、トランプ支持者の投票率を1-2%程度上昇させると述べています。特にペンシルバニア州のようなスイングステート(どちらの政党が勝利するかわからない州)でトランプ優勢が予測されており、現にトランプ氏はバイデン氏に対して2.4%ほどリードしています。

ただ数ミリ銃弾がズレていたら危険でした。下の動画をよく見ると、銃弾が飛んできた瞬間にトランプ氏はわずかに首を動かしています。これによって後頭部を狙った銃弾がはずれ、トランプ氏のちょうど右耳のあたりをかすめた程度でことなきを得ました。

その後、シークレットサービス所属のSPたちの適切な初動体制には目を見張るものがあります。アメリカのシークレットサービスは要人警護と金融捜査を専門とする連邦政府の機関です。よく見ると発砲音の2秒後にはSPがトランプ氏救出体制を固めており、極めて迅速な初動であることが明らかです。犯人は同じ選挙集会にいた別のシークレットサービスの警護団によって即座に射殺されました。

トランプ暗殺未遂動画

参考までに昨年に銃殺された安倍元内閣総理大臣のケースをもう一度確認してみましょう。発砲音から5秒が経っても警察官は誰一人安倍元総理が倒れたことすら認識していません。8秒後、倒れていることを認識した人たちがやっと元総理のもとに駆け寄り始めています。トランプ氏のSPと比較すると、動きが緩慢で警備になっていません。トランプ氏が万が一日本で銃撃されていたとするならば確実に命を落としていたに違いありません。

安倍元総理の銃撃の瞬間

もちろんガチガチな警備で物々しい雰囲気を作ることは日本のコミュニティ環境や政治文化に合わないかもしれません。とはいえ暗殺が民主主義を冒涜する許すまじき行為である以上、警察もそれを阻止しなければならない。安倍元総理の暗殺を契機に日本でも警護への意識が向上しつつあるのは皮肉なことですね。

すでにトランプ氏と党全国委員会は大統領選に向けた活動を再開しました。次は共和党から大統領候補としての正式指名を受けるための党大会が予定されています。無事でよかった。

 

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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