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兵庫県知事に対する嫌悪感 -傲り、高ぶり、異様な自己愛という害悪

兵庫県知事・斎藤元彦(以下、斎藤)が百条委員会に出席しましたね。斎藤は2021年に自民党と日本維新の会が「あいのり」で支援し当選した1期目(3年目)の新人県知事です。


斎藤元彦 Wikipedia より

 

百条委員会は兵庫県庁の元西播磨県民局長のX氏(故人)が、今年の3月に斎藤のパワハラ7項目を内部告発する文書を作成したことが発端となって開かれました。捜査関係者も、司法関係者も、もちろん探偵も、内部告発を重要な情報源として捉える傾向があります。斎藤は、内部告発の当事者であるX氏を懲戒処分にしたことから、X氏は7月に自ら命を絶ってしまったのです。兵庫県庁では、別の職員が今年の4月に自ら命を断つなどの極めて異常事態が続いていました。
内部告発については新たに片山前副知事にも疑惑が上ってきていますね。

百条委員会では告発文や職員のアンケートに見られるような斎藤の「パワハラ」「おねだり」についての具体が示され、それに応答する斎藤の姿が報道されました。しかしその態度や行動に触れるや否や嫌悪感を高めてしまったニッポンの国民は多いのではないでしょうか。斎藤が関わったとされる「パワハラ」「おねだり」をごく簡単に確認しておくと、

 

・目的地までわずか20mの距離を歩いたことが気に入らず「事前調査が足りない」などと職員を執拗にどなりちらした

・ポスター・チラシに、斎藤の写真が掲載されていないことを理由に激怒。以後、ポスター・チラシに斎藤の写真を掲載することがルールとなった

・企業から提供された「高級コーヒーメーカー」の受け取りを辞退したものの、無理を言って事後的に職員に取りに行かせた

・企業から提供されたポロシャツのサイズが大きすぎると、小さなサイズを持って来させるよう職員に命じ、サイズがなかったものの異常な執着心で小さなサイズのポロシャツを入手した

 

などなど、枚挙にいとまがありません。これらが事実だとするならば「奢り」「高ぶり」「異様な自己愛」の表れであり、到底、知事たる立場にあるものがすることではありません。百条委員会で示された斎藤の行動や態度はどれも「開き直り」「しらばっくれ」「論点ずらし」「身勝手な屁理屈の羅列」に基づいており合理的な妥当性が感じられませんでした。人命が失われているにも関わらず「必要な指導だった」「仕事は厳しくするのが私のスタイル」というのは弁明の域を超えた「誤った正当化」であり人権の軽視と断じざるを得ません。結果としてみるならば周囲が募らせるのは嫌悪感だけということになってしまうでしょう。

ニッポンのリーダーというのは、歴史的に見ても周囲への「気配り」と「面倒見の良さ」が伝統的権威に基づく「信用」の源泉となってきました。例えば、「自由にやってください。すべての責任は私が取る」「皆の力を信じている。私が後ろで支える」などの、謙虚さと叱咤激励は重要で、それによって多くの部下から力を引き出すことができる。これこそがニッポンのリーダーシップの「あるべき姿」です。斎藤が知事としての適性を欠いているのは明らかです。可及的速やかに進退を決められることを希望します。

 

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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