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ラーメン好き、注目! ―ラーメンと脳卒中死亡率の関係を探る研究結果の報告

いつもランチに悩むとたどり着くのはラーメン。常時、超お気に入りのラーメン店が5,6軒はあるしラーメン店の新規開拓も好きです。この暑さだと「汗かくから塩分補給じゃ」とか言い訳してはしょっぱいスープの大半を飲んじゃったりします。好きなタイプは鶏ガラ醤油系の極細麺ですがとんこつや酸辣湯もありです。こう暑いと塩分濃い目が美味しく感じますものね。しかも職業柄、わりと早食いなんです。


だけど良いことばかりではありません。今日は、自治医科大学医学部内科学の松薗構佑氏らがイギリスの栄養学専門誌『Nutrition Journal』に発表した学術論文を参照しながら、ラーメン店の多い地域は脳卒中死亡率が高いという指摘があることをお伝えしていきます*。素晴らしい研究成果を残された松薗先生に敬意を表して。


この学術論文の概略は日本の都道府県におけるラーメン店の普及率と脳卒中死亡率との相関関係を調査した結果、ラーメン店の普及率が高い地域であればあるほど脳卒中死亡率が高いという発見があったというものです。ラーメン店の普及率が高い地域というのは個人のラーメン消費量も多いと考えられますので、ラーメンが脳卒中を引き起こす何かしらの要因である可能性を示唆していることになります。ラーメンに含まれる脂質、塩分、炭水化物を過剰に摂取すると健康被害につながるのではないかと同論文では推察していますが、あくまでも可能性に過ぎないようです。結論としては、ラーメン店の普及率が高い地域で(特に北関東と南九州)、なぜか脳卒中の死亡率が高いことが発見された!というものに留まっています。それにしても、なんでラーメン店が多い地域で脳卒中死亡率が高いんだろう。とっても興味深い。


ちなみに脳卒中について浚っておきましょう。脳卒中は、脳への血流が何らかの原因で阻害され脳細胞が損傷したり死滅したりする病態です。例えば、脳血管が詰まる「脳梗塞」や、血管が破れて出血する「脳出血」「くも膜下出血」があります。早期の治療を施さないと重度の後遺症を残すリスクがあり、命に関わる疾患です。


「中華そば」は発祥こそ中国かも知れませんが「Ramen」はもはやニッポンが誇るソウルフードだし、今やそれを目当てに観光客も集まります。私もラーメン大好きだけど、せめて週に1回くらいの頻度に抑えることにします。ラーメン好きのみなさんもお気をつけて!以上、自戒の意味を込めて。


* Matsuzono,K.,Mieno,M.,& Fujimoto,S.2019.“Ramen restaurant prevalence is associated with stroke mortality in Japan:an ecological study.”Nutrition journal18,1-6.

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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