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令和の米騒動 -日本から米が消えた!-

現在、日本では米不足が続いています。今年になって、日本の米がスーパーマーケットなどで品切れになったり、「おひとり様1個まで」などの購入制限がかけられたりしていました。こうした状況を、歴史上の「米騒動」になぞって「令和の米騒動」と呼ぶようです。

私もつい2週間前にストックしていた米がなくなったため、ありとあらゆるスーパーマーケットを行脚しました。米はどこも品薄でやっと5kgの「あきたこまち 無洗米」を見つけて購入しました。それ以来買うことはできません。皆さんはどうしていますか?

 

「米騒動」の主な原因は、

・2023年の猛暑による不作で、米の品質が低下し出荷できる量が減った

・訪日外国人の増加による需要拡大で、外食産業が消費する米の量が増加した

・南海トラフ地震への警戒から「買い占め」が起こっている

 

等々が考えられるようです。その結果、民間が持っている米在庫量が前年比で41万t 少ない156万t と、統計史上で最少の結果となってしまった・・・と農林水産省は発表しているようですが(2024年7月)、日本の米の生産量は年間で約800万t(世界第10位)もあるわけで、そんな程度のことで日本のすべての米がなくなるというのは考えられない。ほかに理由がありそうです。

探偵ネットワークを使って調べてみると、まことしやかに「戦争準備のために政府が米を買い占めている」「食糧危機のはじまりだ」などという穏やかでない話も出ているようです。

私は、米不足は単に政府のパースペクティブ(長期的視点)の欠如の結果だと考えています。

第一に、そもそも日本の農業人口の減少と高齢化は米の生産能力を低下させる主要な要因でした。それにもかかわらず政府の対策は不十分であり成果が見られません。特に、新規に若者が農業に参入しやすい環境の整備が著しく遅れており、あいもかわらず農業従事者数は減少を続けています。

第二に、国内の食料自給率が高まっていません。むしろ安価な農産物を輸入する動きが加速化しているため国際的な市場が不安定になると、即座に日本の食料供給が影響を受けます。米は国内で自給自足が可能なのですから輸入依存をする必要はないのです。

第三に、新技術の導入や普及が遅れすぎています。AIを駆使したいわゆる「スマート農業」には政策的な支援が限定的であり、技術化する気がないとしか思えません。

第四に、米の過剰生産を防ぐという訳のわからない理由のために「減反政策」を実施しました。これはむしろ、農業生産の多様性を抑制し、国内の米生産能力を低下させた可能性があります。

以上、どれを取っても無策であり、天候不順や需要変動などの不測の事態が発生した際に迅速に対応できる柔軟性を削ぎ落とすことばかりをしています。政府をはじめ農林水産省には猛省を促したいと思います。皆さん、次の内閣総理大臣は食料自給率と食料安全保障に明るい政治家を期待したいですね。

お米あとこれだけ。

 

 女探偵 堺浄(さかい・きよら)

政治家を経て、生成AIやITを駆使し過去の事件を分析する女探偵に。社会科学領域の研究者(慶應義塾大学大学院を経てPh.Dr.)でもある。掘り下げたいテーマは、女性はなぜ政治の世界で「お飾り」になるのか、日本の「タテ社会」と「ムラ社会」は不変なのか、内部告発は組織の不条理に抵抗する最終手段なのか。

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