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『歌詞を読まずに歌が好きな奴、ゆるせない』岡田斗司夫

先日、気づいて驚いたことがある。
「歌が好きな人は、歌詞を気にしてないらしい」らしいのだ。

きっかけはちょっと前にTwitterで話題になった「歌詞カード問題」だ。

CDなんか買わなくてもいいんじゃない?
iPodとか、スマホに入れたらいいもの。
でも、歌詞カードはどうするの?
という論争だ。

ここで、「確かに歌詞カードいるね」という人もけっこういたのだ。かつては。

でも最近は、ずっと音楽を聴いていますという人でも、歌詞も読まない人がかなり多いらしい。

すごくショックだった。

僕は、自分自身のことを音楽好きとは思ったことはない。

ヘッドホンやイヤホンが嫌いだから、いつも音楽を聴いているとかできない。
音楽を聴いているときは、仕事にならないから仕事中は聴けないし。
アニメとか特撮のオープニングやエンディングは大好きだけど、映像がついてない曲や歌だけには興味ない。
自分で歌うのは好きだけど、カラオケとかめったに行かない。

でも、自分が好きな音楽は、必ず歌詞カードを見る。
どういう意味なんだろうかと考えたり、こんな心情を歌っているんだと、感動することも多い。

ところが、だ。
前述のTwitter論争で知ったのだけど、音楽好きと主張する人の8割以上が、どうも、歌詞など見ないらしい。

僕の中で、やっと合点がいった。
雰囲気を伝えるための単語だけが入ってる歌詞。
こんなものが美しいとか、こんな気持ちが大事やねぇとか、気分だけの歌詞。
具体的なアーティスト名や曲名は言わないけど、
あんなしょうもない歌詞の歌、何がいいんだろうかと思ってた。

実は、歌詞は聴いてなかった。
あいつらが聞いてたのは音だけだったのだ。
まさに「音を楽しむ=音楽」だったのだ。

歌の捉え方には、二種類ある。
「詩の朗読に、抑揚をつけた」という説
「曲があって、歌詞をつけた」という説
の2つだ。

僕は完全に前者の「詩の朗読に抑揚がついている」のが「歌」だと認識している方。

しかし、後者の「歌詞を聴かない、意味を考えない」人間がメジャーだったのだ。

だから、僕にとって9割の歌がわからない、つまらない歌になってしまうのだ。

海外ドラマ『グリー』とか、ミュージカル系の作品を見て、急にその歌が好きになったりするのも、歌に字幕がついていて読めるからだ。

そうすると、「こんな意味なんだ!」とわかって好きになれる。

僕にとって、歌詞の意味もわからないのにその歌を好きになるのは、顔も知らない女の子を好きになるようなものだ。
信じられない。

どうも、当たり前のことらしいが、僕にとっては大発見だった。

 

岡田斗司夫

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