楓ちゃん誘拐殺人事件２

２０日、奈良市内の会館で、楓ちゃんの葬儀がしめやかに執り行われた。稀に見る凶悪な犯罪の被害者となった楓ちゃんと小学校の同級生や父兄が涙のお別れを告げていた。楓ちゃんの両親は、『楓は明るい子だったんで、明るく送ってあげたい･･･』と参列者に笑顔を見せていたが、その心中は、計り知れない悲しみであったようだ。

犯人が、母親に送りつけたメールに添付されていた画像は室内で撮影されたものと判明した。画像を解析した結果、画像バックの白いものがシーツのようだ。更に楓ちゃんの死因が水死と判明、肺の中に残っていた水は、水道水であった。楓ちゃんは、ホテルか犯人の自宅に連れ込まれて、殺害されたのか？

現場から数キロのところには、モーテルやラブホテルが数件建ち並んでいる。しかし、犯人は、そこではなく、現場から離れたホテル街まで楓ちゃんを連れ去った可能性もある。事件現場の周辺では、今年６月から帰宅途中の小学生が、不審な男性に無理やり車に乗せられそうになったり、追い掛け回されたりした事件が次々に判明した。さらに楓ちゃんが拉致された現場付近では、中学生が無理やり車に連れ込まれ車内で猥褻な行為をしたという強制わいせつ事件が発生している。徐々に捜査は確信に迫っているのか？一日も早い犯人逮捕が望まれている。

奈良県香芝市にあるモーテル

探偵工藤の推理

目撃された犯人の車両は、その度に車種や塗色が違っている。同一人物が車を複数台所有することは稀であり、レンタカーを使用している可能性は否定できない。現場周辺にはホテルが数件あるが、いずれも駐車場から室内までは離れているようなホテルであり小学生を連れては入りにくい。現場から南へ約３０分の地点にある西名阪香芝インターには、モーテルタイプのホテル（ワンルーム・ワンガレージ）があり、そこならば全く人目に付かず楓ちゃんを室内に連れ込むことは可能である。

ＢＯＳＳの推理

映画「殺人の追憶」を見た犯人が周到に計画を立てたと思われる。つまり、直前の強制わいせつ事件などの犯人とは無関係である。むしろ、犯人はそれを知っていて逆に利用したのではないか。
この映画は、楓ちゃん同様、死体を側溝に捨てるシーンから始まっており、刑事の執拗な捜査から逃れた犯人が、時効を迎えたある日、その側溝を見に来て物語が終わる。最後まで真犯人の顔が見えず、快楽殺人者にとってはたまらない終焉だ。窒息死させて死体に傷をつけ、事件の残忍性を増すところにも共通項がある。