「絶対に嘘じゃない」「絶対に裏切らない」
人々は、よく「絶対」という言葉を口にする。
この言葉は本来、己に自信が無い時のかくれみのとして使われてきた。
しかし、私は違う。この言葉を使う時、不退転の勇気と決断がある。
今回は
絶対に儲かる。
この、自信に満ちた呼びかけに、欲に目がくらんだ5人の亡者どもが集まった。
まず、ゲンナマを見せる。
金にうるさいチバは大はしゃぎだ。
いつも仏頂面で不機嫌そうな顔が、まるで嘘のようである。
こいつらは相変わらずだ。
新札で顔をはたくのが夢だった、と山木氏は語る。
汁はいつまでも、いつまでも匂いをかいでいた。
感極まって泣いている。
役者が揃ったところで、絶対に儲かる話をした。
ひとり100万円づつ預けるから株を買いなさい。儲かったら利益の半分をあげよう。期間は一ヶ月だ。
5人とも狂喜乱舞!! 飲めや唄えのお祭り騒ぎが10分間続いた。
静粛に・・・。では、この新聞を見て、たった5分間で買う銘柄を決めなさい。
なぜか夕刊フジの株式欄。
しかも10月の古新聞だが、あんまり深い意味はない。
彼らに時価は関係無いのだから。
ー 絶対つづく ー