兵庫県の内部告発問題を巡る騒動で、また一つきな臭い動きがありました。

元総務部長の井ノ本知明氏(58)が、地方公務員法違反の疑いで書類送検されたというニュースです。容疑は、告発者の私的情報を県議3人に漏洩したというもの。警察の見立てでは、斎藤知事や片山安孝元副知事の指示の下、県議らへの根回しとして行われた可能性が高いと厳しく指摘されています。
しかし、この件について少し冷静に考えてみる必要がありそうです。そもそも、県職員が県議会議員に対して情報を伝えたり説明したりするのは、行政の現場ではレク(レクチャー)と呼ばれる一般的な業務プロセスの一環です。これを一律に秘密漏洩として法律違反で断罪するのは、いささか強引でおかしいのではないでしょうか。現場の感覚で言えば、仮に不適切な点があったとしても、それは意図的な犯行というより、上層部からの指示に対する現場の解釈ミスであった可能性が高いように思われます。
今回の強硬な動きを見ていると、どうしても検察側の勇み足を感じずにはいられません。法的な構成要件や証拠のハードルを冷静に見れば、最終的には不起訴になる可能性も十分に高い案件だからです。
にもかかわらず、あえてこのタイミングで書類送検に踏み切った背景には、別の意図があるのかもしれません。つまり、法的な処罰そのものを目的とするよりも、書類送検という既成事実を作ることで、斎藤知事サイドに強烈なプレッシャーをかけようとしているのではないかなど。
この件について兵庫県庁に「このような状況では県政が停滞するのではないか?」と問い合わせたところ、「個人的な見解を述べる立場ではないので何とも言い難い」とのこと。
警察・検察による政治的な駆け引きの匂いが色濃く漂う、なんとも後味の悪い展開です。

探偵華盛頓
政局・政治・選挙ウォッチャーを10年近く務めています。
