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年金支給ミス問題、「窓口に電話がつながらない」と苦情が相次ぐ!真相は?

日本年金機構による年金支給をめぐるトラブルが、立て続けに発生している。その一つが、扶養親族等申告書の記入ミスが主な原因となった問題だ。申告書の書式や記入項目が大幅に変更されたため、記入を誤る人々が続出した。その結果、約130万人に対して、実際よりも少ない額しか支払われていなかった。

もう一つは、源泉徴収税額の算定時に誤りが生じていたという問題だ。扶養親族等申告書の処理を委託した外部業者の事務処理が不適切だったことが、その原因である。入力の漏れや誤りにより、年金支払い時に正しい源泉徴収税額を反映できていないという事態が多発した。この件では、委託に伴う個人情報管理のあり方も厳しく問われた。

 

 

これらの問題への問い合わせ窓口が、「源泉徴収お問い合わせダイヤル」だ。フリーダイヤルで、受付時間は平日の8時30分から17時まで。週末にも電話対応が行われる場合には、そのつどホームページに告知が掲載される。一方、上記の番号に「電話をかけたがつながらない」という苦情や抗議の声が上がっている。

 

 

一例として3月24日の東京新聞に、82歳の男性からの投書が掲載された。「いつも『お話し中』『後ほどおかけ直しください』というメッセージが出てくるばかり。五日から連日、一日五回程度かけているがつながらないのは一体どうしてか、年金機構に尋ねたい」。「約百三十万人の該当者に対処できる体制になっているのか。応答オペレーターが確保されずに間に合わせの人員で対処しているのではないか」と疑問視した。

 

 

4月11日の同紙にも、53歳の男性からの投書が掲載されている。原則として平日の朝から夕方までしか対応しないことについて、「通常勤務時間内しか受け付けないということです」と批判。「自らの不祥事との自覚、反省があるなら、土日も受け付け、時間も午後七時ぐらいまで延長すべきです。職員が振り替え出勤と時差勤務をすれば十分対応でき、民間企業なら当たり前のことです」と苦言を呈した。

 

 

当サイトでは、以上のような批判の声がメディアに相次いで掲載されたことについて、日本年金機構に実態を尋ねた。担当者によると、源泉徴収お問い合わせダイヤルに「電話がつながりにくい」、「平日の朝から夕方以外も受付対応を」といった苦情や意見は、現時点までにほとんど寄せられていないという。

 

 

他方で、一般的な年金相談の窓口である「ねんきんダイヤル」や年金事務所に「電話がつながりにくい」という苦情が多いのは、事実であるとのこと。ただし、そのような声は以前から寄せられているそうで、このたびの問題の発覚に伴って苦情が増えたわけではないようだ。続いて、源泉徴収お問い合わせダイヤルの設置期間と、これから先に予定されている平日以外の電話対応の日程を尋ねたが、いずれも現時点では未定であるという。

投書した人々が電話をかけた時には、実際につながらなかったのだろう。同様の声は、ネット上にも一部見られる。だが、新聞各紙は投書の掲載に際して、その内容を必ずしも検証しているわけではない(疑わしいと判断した場合には、掲載前に確認することがある)。本件に限らず、ある人物の個人的な体験談をどこまで一般化できるかということには、注意が必要だ。

 

高橋 

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