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なぜ米国とイランは揉め続けるのか

 米国とイランは先月、60日間の停戦に合意し、その間はホルムズ海峡の自由航行が実現し、イラン国内の高濃縮ウランの扱いについても交渉が進むはずでした。しかし、ホルムズ海峡ではイランがタンカーを攻撃したり、高濃縮ウランに関してもIEAの査察受け入れについて米国とイランが正反対の発表をするなど、相変わらず事態は一進一退を繰り返しています。

 なぜ合意したにも関わらず、米国とイランはずっと行ったり来たりを繰り返すのでしょうか。中東問題に詳しい米国の著名なジャーナリスト、トーマス・フリードマンがそれを理解する良いヒントを提示していたので、紹介したいと思います。
 フリードマン曰く、米国と中東では政権幹部など影響力ある人の発言のパターンが正反対だとのことです。米国人は、プライベートの場では本音を言うけど、公の場では嘘をつく。これに対して、中東の人は、プライベートの場で英語で喋る内容は信用できず、公の場で自分の国の言語で喋る時に真実を話す、とのことです。
 この中東のやり方は、自分がかつて資源エネルギー庁時代に経験したこととも符合するので、非常に正しい指摘だと思います。

 つまり、トランプ政権でイランとの交渉に当たっている人たちは、中東の交渉のやり方や歴史なども理解しないで(政府内に蓄積されているはずなのに)、交渉しているのかもしれません。もしそうだとしたら、今後も両国の言い分が異なる状況が続き、交渉も揉め続けて行ったり来たりを繰り返すことでしょう。場合によっては、また米国の武力攻撃となってしまうのかもしれません。

 2期目のトランプ政権は本当にダメだと改めて実感してしまいます。

 

岸 博幸(きし ひろゆき)
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、RIZIN(格闘技団体)アドバイザー。専門分野は経営戦略、メディア/コンテンツ・ビジネス論、経済政策。元経産官僚、元総務大臣秘書官。元内閣官房参与。趣味はMMA、DT、VOLBEAT、NYK。

 

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